
本記事はこんな方におすすめです。
・部下が売れずに悩んでいる生命保険のオフィス長・営業所長・拠点長
・トップセールス頼みの組織を底上げしたい営業マネージャー
・部下育成の「具体的なやり方」が分からず、根性論になってしまっている管理職
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部下が売れないのは、あなたの指導力不足ではありません。組織に「型」がないだけなのです。
この記事では、生命保険オフィス長(部下16名)のケースを元に、営業組織を立て直すマネジメント術を具体的にお伝えします。
生命保険業界のマネージャーはもちろん、あらゆる業界の営業管理職に役立つ内容です。
最後まで読んでください。最後に重要なまとめをしています。では、いきましょう!
■この記事の結論
保険営業のマネジメントとは、根性論ではなく、部下が売れる「型」をつくって回すことです。目標・行動・案件・モチベーションの4つを管理し、止まっている場所を見つけて、次の一手をいっしょに決めます。
部下が売れないのは、マネージャーの指導力不足ではなく、組織に「育てる型」がないだけです。
1.262の法則で組織を分け、中位6割から「素直な人」を3名選んで集中して育てる
2.トップ営業は管理しない。でも「いつも気にかけているよ」と承認し続ける
3.「新規に行け」ではなく、証券確認キャンペーンとランチミーティングで、行動と本音を引き出す仕組みを作る
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目次
保険営業マネジメントで部下が売れないのは、あなたの指導力不足ではない
部下16名を率いる生命保険会社の拠点責任者さんから、こんなご相談をうけました。
ただ、やっぱり個々のメンバーの力がまだまだで、、、262(にーろくに)の法則でいうと、真ん中の「6」の層を上に引き上げたいんですが、うまくいっていないんです。
ここに、多くの営業組織が抱える問題の本質があります。
数字は達成しているのに、組織は強くなっていない。
一部のトップセールスが数字を作り、残りのメンバーは伸び悩む。トップセールスが辞めたら、オフィスの数字は一気に崩れます。
つまり、「個人頼み」の組織は、常に崩壊のリスクを抱えているのです。
「誰を」「どの順番で」「どうやって」育てるかを、型として設計することです。ここから、「組織立て直しの手順」を、順番に解説していきます。
「営業組織づくりの全体像」については以下の記事を参考にしてください↓
「営業マネジメントの基本」については以下の記事を参考にしてください↓
営業マネジメントのコツ10選|部下が自ら動くチームの作り方【トーク例付き】
保険営業マネジメントで管理すべき4つのこと(目標・行動・案件・モチベーション)
私が事業部長のときに、1日3回の案件会議で確認していたのも、この4つです。
| 管理 | 何を見るか | マネージャーのひと言 |
|---|---|---|
| ①目標管理 | 月の契約件数・保険料など、ゴールの数字 | 「今月のゴール、いっしょに確認しよう」 |
| ②行動管理 | 証券確認・アポ・面談の件数など、ゴールまでの行動(KPI) | 「今週は何件会えた?どこで止まってる?」 |
| ③案件管理 | お客さんごとの進み具合と、次の一手 | 「この案件、次のアクションは、具体的に何?」 |
| ④モチベーション管理 | 部下のやる気と、大切にしている価値観 | 「お疲れさん、がんばってるね。最近どう?」 |
KPI(ケーピーアイ)とは、ゴールにたどりつくための「途中の目標数字」のことです。たとえば「月2件の契約」がゴールなら、「証券確認10件」「提案5件」がKPIです。
そして大事なのは、件数だけでなく、どこで止まっているかを見ることです。
例:部下Aさんの今月
証券確認10件 → 提案5件 → 成約2件
証券確認から提案に進んだのは半分、提案から成約したのは4割
・証券確認が少ない → 行動量を増やす
・提案はできているのに成約しない → クロージングのトークを直す
【無料ダウンロード】保険営業マネジメント 週の行動計画表(Excel)
この「4つの管理」と「どこで止まっているか」を、部下といっしょに週1回15分で確認できる表です。件数を入れるだけで、次の段階に進んだ割合(遷移率)が自動で出ます。記入例と使い方つきです。
止まっている場所がわかれば、叱る必要はありません。「次のアクションは、具体的に何?」と聞いて、いっしょに次の一手を一つ決めるだけです。
「4つの管理」と、ダメ・普通・トップのマネージャーの違いは、以下の記事を参考にしてください↓
営業マネジメントのコツ10選|部下が自ら動くチームの作り方【トーク例付き】
262の法則:保険営業マネジメントの成果を決めるのは「中位6割の引き上げ」

まず、262の法則の基本構造を確認しましょう。
262の法則とは、どんな組織も自然と次の3つの層に分かれるという法則です。
・上位2割(優秀層):自ら考えて、自律的に高い成果や付加価値を生み出す人たち
・中位6割(平均層):通常業務をこなす平均的な人達、組織のボリュームゾーン
・下位2割(低迷層):成果や貢献度が低く、意欲やスキルに課題がある人たち
ここで重要なのは、組織全体の成果を最大化するカギは、ボリュームゾーンである「中位6割」を仕組みと教育で底上げすることだという点です。
下位2割の意識改革には、膨大なエネルギーがかかります。
一方、中位6割は「型」さえ与えれば動ける人たちです。人数も一番多い。だから、ここが1.2倍になるだけで、組織全体の数字は大きく変わるのです。
特に中の上3割が肝です。
262の法則は意味ない?下位2割を外せばいいのでは?
■262の法則の正しい使い方
×下位2割を切り捨てるために使う → また新しい下位2割が生まれる
◉「誰から、どの順番で育てるか」を決めるために使う → 中位6割が上がると、組織全体の基準が上がり、下位2割も引き上げられる
実は、今回のオフィス長も、この本質に気づいていました。
そこで、このオフィス長の組織(16名)を262の法則で整理しました。
・上位2割(3名):勝手に数字を作ってくれるトップ層
・中位6割の上(5名):伸びしろのある層
・中位6割の下(5名):現状維持の層
・下位2割(3名):意欲やスキルに課題がある層
中位6割「全員」をいっぺんに引き上げようとすると、失敗します。 リソースが分散して、全員が中途半端になるからです。
ここで私は、オフィス長にこう質問しました。
素直で、やる気があって、理解力もあるような方です。
特に、「中の上、伸び代のある層」が良いです。
今後この2人を育てていきたいと思っています。
せっかく時間とお金などのリソース(資源)をかけたのに、育てた人がいなくなったらもったいない。
リスクマネジメントとして、僕だったら3名は育成候補を作っておきます。
教育対象を選ぶ3つの要素
・やる気
・理解力
このコンサルでオフィス長に「どれが一番重要ですか?」と聞いたところ、答えは「素直さ」でした。
私も同意見です。理解力ややる気は後から伸びますが、素直さがない人は、教えたことを実行しません。実行しなければ、結果は出ません。
能力は低いけれど、素直な人。
どちらを選びますか?
しかし、私の経験から能力は高いけれど、素直ではない人、性格の悪い人は、トラブルなど、マイナスな結果を引き起こし、結局は「辞めて」しまったりします。
短期は良いですが、中長期で考えるなら、「素直な人」、「性格が良い人」が結局、、、一番良いですね。
教育投資の最優先は「素直な人」なのです。
営業組織に「売れる型」を浸透させる3ステップ
ここで、私が企業研修でお伝えしている「皿回し理論」を紹介します。
部下教育は、皿回しです。

皿回しのコツは、ひとつの皿をしっかり回してから、次の皿を回すこと。全部いっぺんに回そうとすると、全部が中途半端になり、落ちて割れてしまいます。
営業組織に「売れる型」を浸透させる手順は、この3ステップです。
ステップ1:全体で、いっしょに営業台本を作成する
上から押し付けられた台本は、現場で使われません。自分で作った台本は現場で使います。作成過程に本人が参加する方が、台本へのコミットメントが高くなるからです。
ステップ2:伸ばす人を2〜3人に絞って、集中的に教育する
トップセールスの協力を得ながら、素直で素頭がよくガッツがある人材に集中指導。1人に集中しすぎると、辞められたときのリスクが大きいので、最低2名、理想は3名です。
ステップ3:強引にでも、結果を出させる
結果が出れば、他のメンバーも「がんばれば結果が出るんだ!」とわかり、教育を受ける態度が変わります。
「この人の言うことを聞くといいことがある!」とロイヤリティ(忠誠心)が上がり、組織全体に台本が浸透していきます。
ダメなマネージャー、普通のマネージャー、トップマネージャーを区別してお伝えします。
×ダメマネージャー
全員に同じ指導をして、根性論を言うだけ。誰も育たず、結局は自分がプレイヤーとして売り続けて疲れ果ててしまいます。
△普通のマネージャー
すでに売れている上位2割ばかりを可愛がっています。組織の6割は放っておかれ、数字はトップ頼みのまま変わりません。
◉トップマネージャー
まずはみんなで台本をつくって、3人には毎日15分、ロープレに付き合うよ。
262の法則で組織を分け、「素直さ」を基準に育成対象を3名選び、時間を集中して投資します。結果を出させて、組織全体に「売れる型」を広げていきます。
加賀田の実体験:1日3回の案件会議で「型」を回し続けた
会社では社長に次ぐナンバー2、事業部ではトップの立場です。そこで「売れる型」を浸透させるためにやっていたのが、1日3回の案件会議です。
1日3回の案件会議のやり方
時間:10時・14時・18時ごろ、1回30分
出る人:各チームのマネージャー
私の口ぐせ:「次のアクションは、具体的に何?」
正直に言うと、最初はいやがられました。
人には、いまのやり方を変えたくない「現状維持バイアス」があります。たとえば、昨日まで1日1回だった会議が、いきなり3回になる。それだけで「めんどうだな」と感じるのが、人の自然な反応です。
それでも続けました。すると、事業部は連続で優勝し、目標を達成。成約率も上がりました。
オフィス長のあなたなら、最初から3回でなくても大丈夫です。朝と夕方に5分ずつ、中位6割の部下に「次のアクションは、具体的に何?」と聞く。これだけで、部下の動きは変わりはじめます。
営業マネージャー必読!部下育成で成果を最大化する5つのステップ
“アドラー流マネジメント・リーダーシップ”3つのコツ【アドラー協会代表】
『採用基準(伊賀泰代 著)』マッキンゼー流リーダーシップとは!?
トップ営業を放置してはいけない:「放っておいていいけど、放っておかれたくない」心理
コンサルの中で、もうひとつ重要なテーマが出ました。
上位2割の「勝手に売ってくれるトップ営業」への接し方です。
ここ、多くのマネージャーが見落とすポイントです。
トップ営業は自走できます。細かい管理は不要です。
でも、「managed(管理)」は不要でも、「recognized(承認)」は必要なのです。
具体的な声がけトークはこれです。
ごちゃごちゃ言ってやりづらくなったら申し訳ないので、〇〇さんはご自分のペースでやってくださいね。自分らしく、全然やってもらって構わないからね。
ただ、いつも気にかけているから、何かあったら、すぐ言ってね。」
ポイントは3つです。
・感謝を言葉にする(いつもありがとう)
・尊重を伝える(自分流でやってください)
・承認を継続する(いつも気にかけています)
「尊重しつつ、気にかけ続ける」。
これがトップ営業のモチベーションを維持する声がけの型です。
トップ営業をマネージャーにするべき?
ただし、売れる人ほど、自分がマネジメントされた経験が少ないことがあります。合わなければプレイヤーに戻れること、プレイヤーのままでも年収が上がる道があることを、最初に伝えておいてくださいね。
トップ営業をマネージャーにするときの見極め方と、そのまま使えるトーク例は、以下の記事を参考にしてください↓
営業マネジメントのコツ10選|部下が自ら動くチームの作り方【トーク例付き】
リーダーシップとマネジメントの違いを理解して、強い組織を創る!
プロフェッショナルを演じる仕事術(若林計志 著):自分を変える!組織を変える!
既存客の食いつぶしを止める!新規開拓の仕掛け「証券確認キャンペーン」
このオフィス長が抱えていた、もうひとつの深刻な問題がこれです。
新規のお客さんを開拓していかないと、自分のお客さんを食いつぶすだけになってしまう、、、
これは生命保険業界に限らず、多くの営業組織に共通する構造問題です。
既存客への訪問は、行動のハードルが低い。だから部下は既存客に流れる。でも単価は小さくなる一方。
「新規に行け!」と気合で言っても、部下は動きません。
なぜなら、「何を話せばいいか分からない」から動けないのです。
そこで、このコンサルで設計したのが「証券確認キャンペーン」です。
証券確認キャンペーンの仕組み
部下が、友人・知人から「保険証券」を見せてもらう(加入状況を確認する)ことに対して、インセンティブを設定します。
・そこからご契約になったら:5,000円
金額は一例です。ポイントは、「契約」ではなく「証券確認」という手前の行動にインセンティブを付けることです。
契約はコントロールできませんが、「証券を見せてもらう」という行動はコントロールできます。
行動量が増えれば、そのうちの一定割合が自然に契約につながります。
証券確認をお願いするトーク例
×ダメな言い方
いきなり「見直し」と言われると、相手は「売り込まれる」と身構えてしまいます。
△普通の言い方
断られにくくはなりますが、理由が「自分のため」なので、相手にとってのメリットがありません。
◉トップ営業の言い方
■トーク例:友人・知人に証券確認をお願いする
・営業
「〇〇さん、ちょっと聞いてもいい?最近、保険に入っているのに、いざというときに『え、これって出ないの?』というご相談が多いんだ。」
・友人
「え?どうすればいいの?」
・営業
「保険証券ってあったでしょ?」
・友人
「うん。」
・営業
「保険証券見ればわかるよ!〇〇さんのご家族が困らないか、今の保障を確認するだけさせてもらえないかな?売り込みはしないって約束するよ。10分で終わるから。」
(もし、断られたら)
「全然大丈夫!もし気になったら、いつでも声をかけてね。」
導入時の注意点4つ
ただし、この施策は設計を間違えると逆効果です。注意点は4つです。
1)対象ルールを明文化する
「二親等以内の親族は除く」など、対象を明確にしてから告知します。曖昧なまま始めると、後からトラブルになります。
2)金額のバランスを取る
証券確認だけに大きな金額を付けると「やりすぎ」と社内で言われます。手前の行動は小さく、成果には大きく、が原則です。
3)いきなり全体展開せず、「やる前提」で幹部メンバーに意見を聞く
全体に発表する前に、上位メンバー3〜4名に先に話します。ただし、聞き方には注意が必要です。
「やるかどうか」を相談すると、ほぼ反対されます。人の潜在意識には、今のやり方を変えたくない「現状維持バイアス」があるからです。新しい施策は、それが良いものでも、まず反発を受けるのです。
だから、「やる」と決めたうえで、「どうやったらうまくいくか」を聞くのです。
■トーク例:幹部メンバーへの聞き方
×「こういう施策をやろうか迷ってるんだけど、どう思う?」
◉「来月から、こういう施策を始めます。うまくいかせるために、リスクや気をつけることがあったら教えてほしいんだ。」
やる前提で聞くと、幹部は「反対する人」ではなく「成功させるために知恵を出す人」になります。現場の視点で穴を見つけてもらえるうえ、自分の意見が入った施策なので、協力度も上がります。
4)報奨金のために、お客さんの意向を後回しにさせない
報奨金がつくと、部下はどうしても「件数」を追いたくなります。でも保険は、お客さんの意向をしっかり聞き、それに合った提案をすることが法律でも求められています(2016年施行の改正保険業法の「意向把握義務」)。
だから、キャンペーンの目的は「契約を取ること」ではなく、「お客さんの今の保障を確認して、不安や見落としに気づいてもらうこと」だと、最初に伝えておきましょう。この順番を守るほうが、お客さんの信頼が増え、結果的にご紹介も増えます。
潜在意識の「現状維持バイアス」については、以下の記事を参考にしてください↓
【潜在意識 現状維持バイアス】潜在意識を味方にして「なりたい自分」になる唯一の方法
トップ営業のPDCA:「PDCAはもう古い」と感じていませんか?
営業日報(営業報告書)の書き方|例文・テンプレート付き【部下が育つ10分面談】
保険営業の数字が上がるランチミーティングの運用法

最後に、このコンサルで一番盛り上がったテーマ、「ランチミーティング」です。
部下の本音を引き出し、悩みを早期に発見する仕組みとして、ランチミーティングは最強のマネジメントツールです。
ただし、やり方を間違えると「ただの楽しい食事会」で終わります。
運用ルールがこれです。
①人数は「マネージャー含めて3〜4名」
・1対1:相手が緊張して本音が出ない
・5名以上:雑談で終わって本音が出ない
・3〜4名:悩み相談ができるベストサイズ
②お店は「ちょっと高くて、一人ではわざわざ行かない店」
ちょっと高くて、おしゃれで、一人ではわざわざ行かないけど、みんなで行けたら嬉しいお店。
このオフィス長の場合は、近くの「古民家カフェ」の個室に決まりました。「連れて行ってもらえた感」が、部下の満足度と本音の出やすさを高めます。
なお、入店は11時半〜45分。12時を過ぎると並んでしまい、非効率です。
③スケジュールは1ヶ月分、先に組む
その都度誘うと、断られたり、お弁当を持ってきてしまったりします。
1ヶ月分の組み合わせを先に決めて、「この日程で行こうと思ってるけど、都合が悪かったら教えてね」と先に伝えておきます。
④ランチミーティングは「業務」である
私は前職で、部下100名ほどの事業部長をしていました。
新人が入ったら、ランチミーティングは「業務」でした。
なぜなら、1人採用するのに採用広告費が100万〜150万円かかるからです。せっかくコストをかけて入社した人に辞められたら、大損害です。
苦情対応や事務処理に追われるより、よっぽど安くて効果的な投資です。
このオフィス長は、コンサルの翌週からランチミーティングを開始しました。
マネジメントは、決めたら即実行。スピードが命です。
■注意:ランチミーティングと休憩時間
ランチミーティングを「業務」として行うなら、労働時間として扱い、法定の休憩時間は別にとってもらう必要があります。議題を決めて、昼食をとりながら仕事の話をすると、休憩時間ではなく業務時間とみなされる可能性があるからです。
休憩時間の中で行うなら、参加は自由にして、途中で抜けてもいいようにしておきましょう。
※参考:「ランチミーティング」は休憩時間じゃない!場合によっては違法になることも(SmartHR Mag./弁護士監修)。実際の扱いは、会社の就業規則や社会保険労務士にご確認ください。
⑤人数は「目的」で使い分ける
■ランチミーティングの人数の使い分け
・新人の不安・不満を聞きたい → 1対1か1対2
・悩み相談を引き出したい → 3〜4名
・長年がんばってくれているベテランをねぎらいたい → 部署ごと(事務・営業など)
たとえば社員10人なら、1日2人ずつ、週5日で10人。月に2周まわせます。11時45分前に出れば、混む前に帰ってこられますよ。
上の人のケアも、いっしょにスケジュールに入れてくださいね。
加賀田の実体験:11時50分のランチミーティングと「部下接待」
目的はひとつ。「上司が自分を気にかけてくれている」と部下に伝わることです。
私のランチミーティングのやり方
時間:11時50分。お店が混む前に、早めに行く
人数:1対1ではなく、1対2〜3人
行けないとき:部下のマネージャーが、新人を連れて行く
最初のひと言:「お疲れさん、がんばってるね」
部下から出てくる話は、ほとんどが「不安」です。ここで大事なのは、否定しないで、まず受けとめることです。
トーク例:部下が不安を口にしたとき
部下:「正直、このままで数字が出るのか不安で……」
×ダメな返し:「そんな弱気でどうする!もっと件数を回せ」
◉トップの返し:「そうか、不安なんだね。話してくれてありがとう。どのへんがいちばん不安?」
これを続けて、退職を防げたこともありました。チームの雰囲気も変わりました。もちろん、それでもダメなときはあります。そのときは「しかたない」と割りきることも、マネージャーには必要です。
そして、右腕の部下とは週1回、1対1の「部下接待」をしていました。会社の近くのすしざんまいで、2人で1万2〜3千円。自腹です。説教はしません。先に話を聞いて、ねぎらう。京セラの稲盛和夫さんの「飲み部屋」の話を本で知り、自分なりにまねして始めたものです。
面接で「この会社は絶対に大きくなる。いっしょに大きくしてほしい」と口説いて採用した部下もいました。のちに彼が結婚し、奥さんと楽しそうにしている姿を見たとき、心から「よかった」と思いました。
「部下接待」と「ランチミーティング」のくわしいやり方は、以下の記事のコツ6を参考にしてください↓
営業マネジメントのコツ10選|部下が自ら動くチームの作り方【トーク例付き】
ランチミーティングと、毎日の日報面談を組み合わせると、部下の変化にいち早く気づけます。日報面談のやり方は以下の記事を参考にしてください↓
営業日報(営業報告書)の書き方|例文・テンプレート付き【部下が育つ10分面談】
営業マネージャーがおちいりがちな「張り紙マネジメント」とは?(営業会議設計運営)
保険営業マネジメントのよくある質問(FAQ)
Q1.保険営業で部下が売れないのは、マネージャーの指導力不足ですか?
いいえ。部下が売れないのは、指導力不足ではなく、組織に「育てる型」がないだけです。
「誰を」「どの順番で」「どうやって」育てるかを型として設計すれば、組織は変わります。
Q2.262の法則で、まず誰から育てればいいですか?
中位6割の中でも伸びしろのある層から、「素直さ」を基準に育成対象を選びます。
全員をいっぺんに育てようとすると、全員が中途半端になります。途中で辞める人が出るリスクに備えて、最低3名を選んで集中的に育てましょう。
Q3.トップ営業は放っておいてもいいですか?
細かい管理は不要ですが、承認は必要です。トップ営業は「放っておいていいけど、放っておかれたくない」のです。
「いつもありがとう。自分のペースでやってね。いつも気にかけているから、何かあったらすぐ言ってね」と、感謝・尊重・承認を伝え続けましょう。
Q4.「新規に行け」と言っても、部下が動きません。どうすればいいですか?
部下が動かないのは、何を話せばいいかわからないからです。
契約ではなく、「保険証券を確認させてもらう」という手前の行動にインセンティブを付けて、トーク例を台本にしてロープレしてから始めましょう。契約はコントロールできませんが、行動はコントロールできます。
Q5.ランチミーティングは、何人で行うのがいいですか?
目的で使い分けます。悩み相談を引き出したいなら3〜4名、新人の不安や不満を聞きたいなら1対1か1対2、ベテランをねぎらいたいなら部署ごとがおすすめです。
業務として行うなら、法定の休憩時間は別にとってもらいましょう。
Q6.保険営業のマネージャーは、何を管理すればいいですか?
目標・行動・案件・モチベーションの4つです。
とくに行動管理では、「証券確認 → 提案 → 成約」のどこで止まっているかを見ます。そのうえで「次のアクションは、具体的に何?」と聞き、いっしょに次の一手を決めましょう。
まとめ:マネジメントは根性論ではなく「型」である
生命保険オフィス長との実録コンサルから、営業組織を立て直すマネジメント術をお伝えしました。
ポイントを振り返ります。
・部下が売れないのは、指導力不足ではなく「組織に型がない」だけ
・262の法則で組織を層別し、育成対象は「素直さ」を基準に最低3名選ぶ(リスクマネジメント)
・部下教育は「皿回し」:全体で台本を作り、2〜3人に集中投資し、強引にでも結果を出させる
・トップ営業は「放っておいていいけど、放っておかれたくない」:尊重しつつ気にかけ続ける
・「新規に行け」ではなく、証券確認キャンペーンのように手前の行動に仕掛けを作る
・ランチミーティングは目的で人数を使い分ける(新人は1対1〜1対2、相談は3〜4名)・良い店・先組みスケジュール・業務として行うなら休憩は別にとる
営業も、マネジメントも、才能ではなく「型」です。
型が分かれば、あなたの組織は必ず変わります。
そして、部下に教える「売れる営業台本」がまだないなら、まずそこから始めましょう。
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