
【本記事はこんな方におすすめです】
・部下やスタッフのコミュニケーションを改善したい経営者・管理職・店長さん
・「褒めるのが下手」「悪気なく失礼なことを言う」部下・スタッフの教育に悩んでいるあなた
整体院の院長さんからこんな、ご相談をいただきました。
でも「褒めるのが恥ずかしい」「自然に言えない」というスタッフがいて、、、。
それに、悪気はないのに、お客さんに失礼なことを言ってしまうスタッフもいるんです。どう教えたらいいんでしょう?
大丈夫です!
実はこれ、部下やスタッフの性格やセンスの問題ではありません。「型」がないだけなんです。事例集と、たった1つの考え方を渡すだけで、驚くほど変わりますよ。
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加賀田裕之です。
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先日、整体・ピラティスを多店舗展開する院長さんから、冒頭のようなご相談をいただきました。
整体院の院長さんからのご相談ですが、これはスタッフや部下を抱える営業マネージャー・店長さんにも、そのまま応用できるお話です。
お客さんと接する仕事では、部下・スタッフのコミュニケーションが、そのまま売上や継続率(リピート率)に直結するもの。だからこそ、部下教育は、あなたの職場の業績を左右する最重要テーマですよね。
この記事では、多くの経営者・管理職・店長さんが頭を抱える、
・部下・スタッフが「褒めるのが恥ずかしい」と言って、なかなか褒められない
・悪気はないのに、ナチュラルに失礼なことを言ってしまう部下がいる
・自分が常に現場にいないので、その場でフィードバックできない
この3つを、「型」で解決する方法を、整体院を具体例にお伝えします。
最後まで読んでください。最後に重要なまとめをしています。では、いきましょう!
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目次
まず「3つの悩み」を切り分けよう
多くの経営者・管理職の方は、これを「うちの部下はコミュニケーションが苦手だ」と、ひとまとめにして悩んでしまいます。でも、原因も解決策も、実はまったく違うのです。
①褒めるのが恥ずかしい → スキル・心理の問題
②悪気なく失礼なことを言う → 自己認知(気づき)の問題
③自分が現場にいなくて指導できない → 仕組みの問題
原因が違うのですから、「もっと頑張って褒めよう」という根性論ですべてを解決しようとしても、うまくいくはずがありません。
ここから、この3つを1つずつ、すぐに部下・スタッフに渡せる「型」にしていきます。
なお、今回のケーススタディである整体・接骨・鍼灸・ピラティスなど、技術職の現場で「技術はあるのにリピートされない理由」については、以下を参考にしてください↓
整体接骨鍼灸継続率アップ:技術はあるのにリピートされない理由と改善3つのポイント
【上司の型】部下の悩みを「マインド・スキル・行動」で切り分ける
3つの型をお伝えする前に、もう1つ、院長・上司であるあなた自身の「考え方の型」をお伝えします。これがあると、部下のどんな悩みにも、自分で答えを見つけられるようになります。
先日の院長さんとのやり取りで、こんな場面がありました。
とても正直で、素晴らしい気づきです。実は、多くの上司がここで止まってしまいます。「褒め慣れてないから」で終わって、「じゃあ、どうすればいいのか?」の一歩手前で思考が止まるのです。
ここで、私が使っている「考え方の型(フレームワーク)」が、「マインド・スキル・行動」です。部下がうまくできないとき、その原因を、この3つのどれなのかで切り分けます。
【部下の悩みを切り分ける3つの視点】
①マインド(心の問題):照れ・自意識・思い込みで、やる気になれない
②スキル(やり方の問題):そもそも「やり方」を知らない
③行動(習慣の問題):やり方は知っているが、実行していない
この型にあてはめて、「褒めるのが苦手」なスタッフを考えてみましょう。
もし原因が「スキル」なら――つまり「褒め方を知らない」だけなら、答えはシンプルです。褒め方の事例(型)を渡してあげればいい。これが、次の章でお伝えする「褒め方の事例集」につながります。
もし原因が「マインド」なら――「キムタクがキメても恥ずかしくないのに、自分がやると恥ずかしい」という自意識が原因かもしれません(これも次の章でくわしく解説します)。
このように、「マインドか?スキルか?行動か?」と切り分けるだけで、打つべき手が見えてくるのです。院長さんが「褒め慣れてないから」で止まってしまったのは、この切り分けの型を持っていなかったからだけ。決して、考える力が足りないわけではありません。
フレームワークで考え尽くし、最後は「直感」で決める
もちろん、フレームワークは万能の「正解」ではありません。「褒めるのが苦手」の原因が、マインドなのかスキルなのか、100%の断定はできません。
でも、それでいいのです。フレームワークの役割は、正解を出すことではなく、「考えるとっかかり」を与えてくれることだからです。型があるだけで、モヤモヤした悩みが整理され、答えにたどり着きやすくなります。
経営コンサルタントの波頭亮(はとうりょう)先生は、マッキンゼー出身の大前研一さんのような論理思考の使い手について、こんな趣旨のことをおっしゃっています。ロジカルに考え尽くした、その先に、最後は直感(フィーリング)で決める瞬間がある、と。
経営コンサルタントの「波頭亮」先生から、前職でコンサルを受ける立場で非常に成長しました。くわしくは↓
まず「マインド・スキル・行動」の型で徹底的に考える。考え尽くしたうえで、最後は「このスタッフの場合は、たぶんコレだな」と直感で決めて、動いてみる。論理の型と、直感。この両方を使うのが、部下を導く上司の考え方です。
①なぜ「褒めるのが恥ずかしい」のか?=キムタク理論
このスタッフに「なんで恥ずかしいの?」と聞いても、たいてい「なんとなく」としか返ってきません。本人も、恥ずかしさの正体がわかっていないからです。
それは、「わざとらしいと思われないか」「自分がどう見られるか」という自意識です。
わかりやすい例をお話しします。
キムタク(木村拓哉さん)が、キザなセリフをキメても、恥ずかしくないですよね。でも、普通の人がキムタクの真似をしてキメたら、恥ずかしい。
同じセリフでも、「身についていない」と、自分でわざとらしく感じて恥ずかしくなるのです。
つまり、「褒めるのが恥ずかしい」スタッフは、褒め方が身についていないだけ。だから、根性で「褒めろ」と言うほど、本人は上滑りを感じて、余計に固まってしまいます。
解決策:外れても恥ずかしくない「信念・価値観」を褒める
「外れても恥ずかしくない褒め方」だけを渡すのです。
でも、見た目や持ち物を「うわー、すてきですね!」とほめて、さされば喜ばれますが、外すと嘘っぽくなって、お客さんからは、「わざとらしい」と感じられてるのではないかと恥ずかしくなります。
考えすぎかもしれませんが、お客さんに「馬鹿にされている」と感じられてしまうのではないか、と躊躇してしまうんです。
わかります、そこでおすすめなのが、お客さんの「信念・価値観」を褒める(認める)ことです。
お体のこと、とても大切にされていて素敵ですね。
体を動かそうという、その姿勢が本当に素晴らしいです。
考えてみてください。「お体を大切にされていて素敵ですね」と言われて、嫌な気持ちになる人はいません。信念・価値観を認める言葉は、外れようがないのです。だから、スタッフも恥ずかしくならずに言えます。
逆に、見た目や持ち物を「素敵ですね」と褒めるのは、相手の好みに刺されば喜ばれますが、外すと「わざとらしい」と感じて、言うほうが恥ずかしくなります。
だからこそ、恥ずかしがりのスタッフには、まず「外れようがない、信念・価値観を認める言葉」から渡してあげるのがおすすめです。
この階層構造(ニューロロジカルレベル)と、価値観を褒めるコツについては以下を参考にしてください↓
ニューロ・ロジカル・レベルとは?相手の「信念・価値観」を褒めて心をつかむ方法
そのまま配れる「褒め方の事例集」をつくろう
スタッフによって褒め方に差が出るのは、褒め方が個人のセンスまかせになっているからです。そこで、「これを言えば外さない」という褒め言葉の事例集を、みんなでつくって共有しましょう。
まずは、ダメ・普通・トップの違いを見てみましょう。
■ダメな褒め方:ありきたりで、下心が透ける
「何が」素敵なのかが抜けているので、「誰にでも言っている、心のこもっていないゴマすり」に聞こえてしまいます。これでは、言うほうも「わざとらしいかな」と恥ずかしくなります。
■普通の褒め方:見た目だけ褒めて、外すと気まずい
悪くはありません。ただ、刺されば喜ばれますが、相手の好みに刺さらないと「わざとらしい」と感じられ、気まずくなるリスクがあります。
■トップの褒め方:信念・価値観を認めるから、外れない
行動や姿勢、価値観を認めているので、外れても「未知」(プラス方向)にしか振れません。だから、言うほうも安心して言えるのです。
このトップの型を、あなたのお店の言葉で事例集にしましょう。たとえば、こんな引き出しを用意しておきます。
【外さない褒め言葉の事例集(例)】
・「この暑い(寒い)中、よく来ていただいて。お体を大切にされていて素敵ですね」
・「最近、運動を始められたんですね。その姿勢が本当に素晴らしいです」
・「姿勢、きれいですよね」
・「お声、聞き取りやすくて素敵ですね」(声質はなかなか褒められないので喜ばれる)
・「体のことをそこまで考えていらっしゃって、とてもいいことですね」
このように、「これを言えば外さない」という成功パターンをみんなで持ち寄って事例集にする。
まさに、「営業台本(=基本の型)」です。
そもそも「人を褒める」ことがなぜ大切で、どう褒めればいいのか、褒め方の基本については以下を参考にしてください↓
また、会話が続く相づちの「新・さしすせそ」も、事例集に加えると褒め言葉のバリエーションが広がります↓
さしすせそは古い!トップ営業の「新・さしすせそ」あいづち話法
お客さんの「価値観」を軸にしたコミュニケーションについては、以下も参考にしてください↓
価値観営業®︎とは?お客さんの価値観を満たして自然に売れる方法
②悪気なく失礼を防ぐ「将棋の三手読み」
でも、たとえば登山が趣味のお客さんに、「山登りって何が楽しいのか、正直よくわからないんですよね」なんて、ナチュラルに失礼なことを言ってしまうスタッフがいて、、、。
これは、①の「褒める」とは、まったく別の問題です。
本人は、場を和ませる雑談のつもりで言っています。悪意はゼロ。だからこそ、「それ、失礼だよ」と指摘しても、本人は「え、なんで?」と傷つくだけで、なかなか直りません。
ここで役立つのが、将棋の考え方「三手読み(さんてよみ)」です。
将棋の羽生善治さんも、何百手も先を読んでいそうに見えますが、基本は「三手読み」だそうです。
【会話の三手読み】
一手目:自分がこう言う
↓
二手目:相手はどう感じる?
↓
三手目:じゃあ、どう言えばいい?
話す前に、この「自分がこう言ったら、相手はどう思うかな?」という一瞬の読みを入れるクセをつける。たったこれだけで、悪気のない失礼な発言は激減します。
この「三手先を読む」という考え方は、営業のクロージングでも決定的に重要です。詳しくは以下を参考にしてください↓
先ほどの登山の例なら、「登山が趣味のお客さんに、山登りを否定するような話をしたら、どう思うだろう?」と一手先を読めば、口に出す前に気づけますよね。
恥ずかしい話ですが、私自身の大失敗をお話しします
偉そうにお伝えしていますが、実は私も、若い頃にこの「三手読み」ができず、大失敗をしています。
新卒でIT系・教育系のコンサルティング会社にいた、20代前半の頃の話です。
ある大手商社系のコールセンターがクライアントで、そこの偉い方に、うちの社長から「ゴルフクラブを買ったから持って行ってあげて」と頼まれました。
私は何も考えず、大勢の人がいる前で、その偉い方に「ゴルフクラブ、持ってきました!」と堂々と渡そうとしたのです。
その瞬間、相手の方が「いえいえ、ちょっとちょっと!」と慌てられました。
そう、みんなの前で贈り物を渡したことで、「あの会社は、賄賂を渡して融通してもらっているんじゃないか」と、周りから見られてしまったのです。
当時の私は、本当に何も考えていませんでした。「一手先」を読んでいれば、「これをみんなの前で渡したら、あの人はどう見られるだろう?」と気づけたはずなのに。
自分の言動が、相手にどう影響するか――このことに、私はこの失敗で初めて気づきました。人は、こういうことは言われないと(気づかされないと)、わからないのです。
運用のコツ:本人を名指しで叱らない
ここで大切な運用のコツがあります。
こうした失礼な発言を、本人に直接「それ失礼だよ」と言うのは避けましょう。多くの場合、その話は別のスタッフから聞いた話で、名指しで注意すると「誰かがチクった」という空気になり、チーム全体がギクシャクします。
そうではなく、「三手読み」という考え方を、朝礼などでスタッフ全員に渡すのです。私のゴルフクラブの失敗談のような、誰かを傷つけない「たとえ話」を題材にすれば、本人も傷つかず、全員が自分ごととして「自分の言動が相手にどう響くか」を考えるようになります。
個人を叱るのではなく、全員に「型」を渡す。これが、センスに頼らずコミュニケーションを底上げする方法です。
③スタッフ同士でフィードバックし合う文化のつくり方
これは、とても良いアイデアです。上司が全現場に張りついていることは不可能ですから、部下・スタッフ同士がお互いに気づきを与え合える「仕組み」をつくるのが、いちばん再現性があります。
ポイントは、この院長さんもおっしゃっていたのですが、「指摘する」のではなく「自分からフィードバックを求める」文化にすることです。
「あなたのここが悪い」と指摘するのは、する側もされる側もハードルが高い。でも、「今日の私のコミュニケーション、何か気になったところあった?」と自分から求めるなら、角が立ちません。フィードバックは、いわば「贈り物」なのです。
ただし、ここで1つ、絶対に守ってほしい順番があります。
鉄則:「良かった点」→「改善点」の順で伝える
フィードバックというと、つい「改善点を先に言って、最後に良かった点でフォローしよう」と考えがちです。
ですが、これは逆効果です。
なぜなら、人は、先に良い点で心を開いてもらわないと、改善点を素直に聞けないからです。いきなり改善点から入ると、心を閉じて、聞く耳を持ってくれません。
①まず「良かった点」を伝える → 相手が心を開く
↓
②次に「もっと良くなりそうな点(改善点)」を伝える → 素直に受け取れる
「今日のあの声かけ、すごく良かったよね。そのうえで、あの場面はこう言うと、もっと良くなりそうだよね」――この順番です。
これは、私が営業のフィードバックをするときに、必ず守っている鉄則でもあります。良かった点で心を開いてもらってから、改善点を伝える。この順番を、スタッフ同士のフィードバックのルールにしてください。
まとめ:コミュニケーションも「才能」ではなく「型」である
・部下・スタッフのコミュニケーションの悩みは
「①褒めるのが恥ずかしい」
「②悪気なく失礼」
「③指導の仕組みがない」
の3つに切り分ける
・①褒めるのが恥ずかしいのは「褒め方が身についていない」だけ(キムタク理論)。外れても恥ずかしくない「信念・価値観」を褒める
・褒め方は「事例集(営業台本)」にして共有する。センスに頼らず型にする
・②悪気ない失礼は「将棋の三手読み」(自分がこう言う→相手はどう思う→どう言えばいい)で防ぐ
・失礼な言動は本人を名指しで叱らず、たとえ話で全員に「三手読み」を渡す
・③フィードバックは「指摘」ではなく「自分から求める」文化にする
・フィードバックは必ず「良かった点」→「改善点」の順で伝える(先に心を開いてもらう)
コミュニケーションも、営業と同じで「才能」ではなく「型」です。
「褒める事例集」「三手読み」「フィードバックの順番」――この3つの型を部下・スタッフに渡すだけで、あなたの職場のコミュニケーションは、驚くほど変わります。そしてそれは、そのままお客さんとの信頼関係、売上や継続率(リピート率)の向上につながっていきます。
ぜひ、あなたの職場の言葉で、この3つの型をつくってみてください。
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