読者(あなた)の悩み
営業戦略と営業戦術はどのように違うのだろう?
3Cって営業戦略に使えるの?
大丈夫です!
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台本営業®コンサルタント加賀田裕之です。
そもそも「戦略」とは何なのでしょうか?
『戦略策定概論 企業戦略立案の理論と実際(波頭亮 著)』P2より
「戦略」とは「競合優位性を活用して、定めれられた目的を継続的に達成し得る整合的な施策群のまとまり」
■必要条件
・目的:戦略目的が明確に設定されていること
・具体的施策:組織・成員の行動を示唆する具体的施策として示されていること
・競争的:競合の存在・対応を念頭に置いて設計されていること
■十分条件
・整合性:各具体的戦略施策が整合的であること
・優位性:競合優位性形成の必然性の根拠となる自社独自の優位性に立脚していること
・持続的:持続的効果をもたらすものであること
では、「営業戦略」とは何なのでしょうか?
『戦略策定概論 企業戦略立案の理論と実際(波頭亮 著)』P240より
■Sales Force Management:SFMとは
・アイテム:売り手の効率と買い手の論理のバランス
・チーム:人数と人材構成・役割分担
・アプローチ:顧客ターゲット、時間と頻度、アポイントの取り方
・セールストーク:セールストークマニュアル、シュミレーショントレーニング
ズバリ、「営業戦略」は重要です。
例えば、分かりやすい例ですと、株式会社ジャパネットたかたは、「型落ち商品」を安く買い叩き仕入れ、オリジナルな付属商品をつけ付加価値をつけ、「たかた社長」の「方言丸出しの暖かい喋り方」で、見込み客の警戒心をといてバカ売れしました。
格安航空券・飛行機チケット・LCC(国内線)の比較サイトの「エアトリ」は大量仕入れで、航空券を安く仕入れることを可能にしました。そして、特にLCCの販売部門としての位置付けを確立する「営業戦略」だったのです。
この記事では、「いきなりステーキ」「ホンダ自動車」「アパホテル」「俺のイタリアン」「DMM」「USJ」「塚田農場」「スタバ」「丸亀製麺」などの最新の営業戦略の事例も解説しています。勝てる「営業戦略」を立案しましょう。
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目次
- 戦略とは? 戦略の定義を明らかにすればカンタン!
- なぜ「戦略」が必要なのか?
- 営業戦略は「フレームワーク(3C)」で考えれば、カンタン!
- 営業戦略フレームワークの要諦(かなめ)は「絞り込み」と「集中」だ!
- 営業戦略事例:戦略優位性とは?顧客提供価値とは?「いきなりステーキ」
- 営業戦略事例:ホンダ自動車の背筋が凍る「営業戦略」
- 営業戦略事例:耐震偽装疑惑で揺れていたアパホテルの営業戦略
- 営業戦略事例:「高島屋」の戦略を「伊集院光」さんの話から考える。
- 営業戦略事例:「俺のイタリアン・フレンチ」
- 営業戦略事例:ピンクオーシャンとは?
- 営業戦略事例:「USJ」を復活させたあの戦略
- 営業戦略事例:「このうどんは生きている!?」丸亀製麺
- 営業戦略事例:「塚田農場・スタバ」の戦略
- 営業戦略 オススメ本:『企業参謀(大前研一著)』
- 営業戦略とは?営業戦略フレームワーク(3C):まとめ
戦略とは? 戦略の定義を明らかにすればカンタン!
「戦略とはなんでしょう?」
言葉遊びをしたいのではなく、曖昧に使っている言葉を定義することで、「本質」が見えてくるのです。では、詳しく「戦略」について考えてみましょう。
私が学んだ元マッキンゼーの波頭亮先生の「戦略」の定義は以下にになります。
あなたのビジネスが戦略的か否か?チェックしましょう!
『
戦略を構成する「必要条件」とは?
1)競合:「競合優位性を活用して」
戦略とは競合相手が存在するもとで行い、自他ともに「強み」ないし「弱み」を予測・計算して行うもの。
競合なしの作戦は、ただの「作戦」で、「戦略」ではありません。そして、競合に「優っている要素」を活用することが必須。競合のアクションも想定。
2)目的:「定められた目的を」
明確な目的の指標化が必須。
定性(数字以外)だけではなく、定量(数字)目標が客観的なので(明らかなので)望ましい。
戦略なきダメ上司は目的もなく、ただ闇雲に部下を行動させようとする。
3)施策:「整合的な施策群のまとまり」
戦略実行に携わる組織や、人員の実際の行動に結びつく具体的な施策
具体的に「何をするのか?(WHAT)」が決まっていることが戦略。ちなみに「どうするのか?(HOW)」は戦術。
戦略の「十分条件」とは?
1)整合性
個々の戦略が包含する個々の具体的施策が、全体として一貫したポリシーによって調和的に束ねられていること
2)優位性
競合にない自社の強みが活かされているか
3)持続性
戦略の効果が「持続し続ける」か?
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なぜ「戦略」が必要なのか?
なぜ、「営業戦略」が必要なのでしょうか?それは、目の前で起きているのは、戦術だからです。「営業戦略の必要性」について考えてみましょう。
目の前で起きているのは、戦術です。例えば分かりやすいのは、チラシやWEBのキャンペーンだとかです。
競合は、戦術を見ることが出来るのです。しかし、戦略を見ることは出来ません。
戦略は、形になるのは早くて、2~3ヶ月後を前提としています。もちろん、戦略のスケジュール感は、会社規模によります。大手企業ですと、2~3年後のスケジュール感での戦略もあるでしょう。
中小企業のスケジュール感は
■短期は1ヶ月
■中期は2~3ヶ月
■長期は半年~1年
が妥当です。
何が言いたいのか?
もう、お分かりですよね。
中小企業は「今日の米びつ」「今日の売上」も必要です。しかし、そうは言っても、中長期を踏まえた戦略を立てていないと、競合にやられてしまいます。
仕込み(戦略)は見えません。短期だけでなく中長期を踏まえた営業戦略を策定する必要があるのです。
営業戦略の期間はまず、ズバリ1年にしましょう。
経営の神様「稲盛和夫」氏は目標設定の期間を1年にしていたのは有名です。以下の記事を参考にしてください↓
営業戦略は「フレームワーク(3C)」で考えれば、カンタン!
フレームワークとは?
自由に発想すると、自分でも「何を考えているのか?」収拾がつかなくなってしまうことがあります。フレームワーク(思考の枠組み)に沿って考えると精度の高い戦略・問題解決ができるのです。
勝てる営業戦略・戦術は、「フレームワーク」で考えればカンタンなのです。そして、その営業戦略フレームワークは「恋愛」で考えれば、カンタンに理解できるのです。
この章では、「恋愛」と対比して「営業戦略 フレームワーク」をみてみましょう。
営業戦略フレームワークは恋愛で考えればカンタン!
「恋愛が上手い人は、営業が上手い!」とか、「営業が上手い人は恋愛も上手い」とか、聞いたことはありませんか?
営業(ビジネス)と恋愛は似ているのです。恋愛で考えてみましょう。
誰かを好きになったら、次のように考えるはずです。
■好きな人について
「好きなあの人はどんな人なんだろう?」って考えますよね。
・どういうタイプが好み?
・どんなことで喜ぶ?
■ライバルについて
次に、ライバルについて考えます。
・ライバルの強み・弱みは何?
・どんなアプローチをするんだろう?
■自分について
そして、自分を振り返ります
・自分の強み弱みは何?
・強みを活かして、ライバルとどう差別化する?
恋愛で、あなたも以上のように考えたことあると思います。
「営業戦略」も「恋愛戦略」も3C分析でカンタン!
営業戦略も同じです!!
それが、「3C分析」なのです。
■3Cの構成要素は「お客様」「自社」「競合」です。
・Company (自社)
・Competitor (競合)
ポイントは、
1)お客様は自社と競合をどのように比較しているか?
2)自社がお客様にどのような価値を提供できるか?
3)競合と、どのように差別化できるか?
です。
1)お客様:Customer
お客様は、「どのようなニーズ(価値)」「どのような視点・基準」で自社と競合を比較しているのか?を考える。
2)自社:Company
自社のどのような強みを活かしてお客様に価値を提供するか?を考える。
「顧客提供価値は何か?」
※参照 ブランディングをしないと(覚悟がないと)生き残れない!
3)競合:Competitor
どのように競合と差別化するのか?
競合と比較して、自社にはどのような強みがあるのか?
まとめますと、あなたが営業戦略を考える場合、「あなたのどの強みを活かして競合と差別化し、お客様にどのような価値を提供するか」を常に考え続けるということが必要だということです。
これが、3Cの概念を基礎とした営業戦略です。
3C分析をすることで、「セールストーク」や「マーケティング」に活かせるので、一度、考えてみてくださいね!
「3C分析」の使い方!
では、超カンタンに「3C」分析を以下の項目で実施してみましょう!
1)商品
■あなたの商品・サービスをお客様は求めているか?
■競合と比較して、どうして顧客は選ぶのか?
2)ターゲット
■どのような顧客対象があなたの商品・サービスを必要としているか?
■競合とターゲットはダブっていないか?
■競合とダブっている場合に勝てるか?
3)ベネフィット(顧客提供価値)
■あなたの商品・サービスを利用することで、顧客はどのような幸福感を得られるのか?
■競合と何が違うのか?
4)信頼感
■あなたの会社の商品を顧客は信頼しているだろうか?
■競合と比較して信頼感はどうだろうか?
5)差別化
■競合と比較しても「あなたから買いたい!」と思わせているか?
■具体的に比較しても勝てる要素は何か?
「3C分析」日常生活での具体的事例
3C分析と言うと難しく感じるかもしれませんが、日常で考えれば簡単です。
私、加賀田の実際にあった身近な例でお話しします。ある土曜日の深夜から、急に歯が痛くなったときがあったのです。それもめちゃくちゃ痛い!夜も眠れなくなりました。
月曜日に歯科医に予約を入れようとおもったのですが、月曜に予約を入れたら行けるのはまた先になります。「また今晩から、痛くて眠れない日々を過ごすのか」と思うと、月曜日まで待てません。
どうしたか?
そうです。日曜日に診察してくれる歯科医を探しました。ほとんどの歯科医が日曜日は休診でした。
しかし、ある一医院だけが、日曜日も診察していたたのです!
このケースを3C分析してみましょう!
■お客様:Customer
平日や土曜日は時間がないので歯科医院にいけない。または、急に歯が痛くなった。日曜日でも診察してくれる歯科医院を探している。
■競合:Competitor
競合の歯科医院の診断曜日は今までの慣習通り、平日か土曜日のみ。
■自社:Company
日曜日を診断曜日にして、日曜日しか時間が空いていない客や、急患を取り込む。
結果、その医院は競合の他の歯科医院と比較し、診療曜日を変えるだけで、見込み客を獲得できたのです。
もちろん、歯科医の中には「家族との時間を作りたい」などの理由で「土日を休みにしたい」という理由もあるかもしれません。しかし、コンビニより多いと言われる歯科医院で、売り上げ確保が緊急課題であれば、土日に診療するだけで新患(新規患者)の増患アップができるのです。
駐車場は満員。次の予約は1ヶ月後の超人気歯科医院でした(ちなみにその医院は、月曜日と金曜日をおやすみにしていました)。
あなたも、日常で3C分析から営業戦略を考えてみてくださいね。
営業戦略フレームワークの要諦(かなめ)は「絞り込み」と「集中」だ!
では、次に戦略の「要諦(かなめ)」についてです。
『戦略プロフェッショナル (三枝 匡)』 P287
戦略の「要諦(かなめ)」は
◆絞り込み
◆集中
である。
もし、事業に絞り込みがなければ、組織のエネルギーを統一することはできない。絞り込みとは、すなわち「捨てること」である。
我々の経営資源には、限りがあるから、何もかもやることはできない。だから「これはやめた」と割り切ることが必要になる。
そのデシジョンを先延ばしにするトップは、いずれもやりきれることにムダな投資を続けていることになる。
その意味では、企業戦略とはもともと「絞り」「捨てる」ための道具と言える。
戦略の要諦(かなめ)とは、
■絞ること
■捨てること
ですね。
では、「絞り」「捨てる」ためにどうしたら良いか?
それは、「セグメンテーション」である。セグメンテーションとは、市場のなかを同じような購買性向を持った顧客グループに分けることである。
セグメンテーションのアプローチ方法は2つ
■「先に商品ありき」でアプローチする方法
■「先に市場ありき」でアプローチする方法
の2つです。
あなたのビジネスにどう役立てられるか?考えてみてくださいね!
営業戦略事例:戦略優位性とは?顧客提供価値とは?「いきなりステーキ」
営業戦略の事例の一つ目は「いきなりステーキ」です。
「いきなりステーキ」事業を運営する(株)ペッパーフードサービスは、2015年、売上87億円を161億円(前年比185%)にしました。
しかし、2020年7月、運営事業の「ペッパーランチ」事業を投資ファンド(J-STAR)への売却を発表するなど存亡の危機に陥っています。
「いきなりステーキ」はなぜ急成長し、そして、今、大赤字になり、正念場に陥っているのか?
それは、顧客提供価値を忘れ、競争優位性を無視してしまったからなのです。
営業戦略的な視点から解説します。
「いきなりステーキ」の運営企業は「ペッパーランチ」で有名だった(株)ペッパーフードサービスです。(※2020年7月「ペッパーランチ」を投資ファンドのJ-STARに売却すると発表。売却額は85億円。)
(株)ペッパーフードサービスは、2015年12月期の売り上げ対前年比は879億円から161億円と「184%」も急成長しました。
「いきなりステーキ」事業の売上は19億円から84億円と65億円アップしたのです。
つまり、「いきなりステーキ」事業の売上アップが(株)ペッパーフードサービスの急成長を支えていたのです。
この記事を読んでいただいているあなたは、もうお気づきかもしれません。「いきなりステーキ」の営業戦略は、「俺のイタリアン・フレンチ」の戦略のマネです。
まず、その「戦略優位性」について見てみましょう。
「いきなりステーキ」を急成長させた営業戦略
■営業戦略1:回転率を高める戦略
都心部に出店。立ち食いで、「顧客回転率を高める」戦略です。
■営業戦略2:原価率を高める(安くて美味い)
肉を食べることに特化することで、食材の絞り込みと、調理過程の簡素化で人件費もカットできます。それにより、驚異の肉の原価率55%を達成したのです。
外食産業の黄金比の通常は、原価(食材費)が30%・人件費が30%・家賃(他経費)が30%で、残りの10%が利益。
「いきなりステーキ」で肉の原価が55%ということは、美味い肉を提供できたのです!!
■営業戦略3、平均単価アップ
また、客単価を上げるためにリブロースは300g(1,800円)から、ヒレは200g(1,800円)からなど店内で注文ルールを設け、平均単価は2,000円を超えていると思います。
※自分が食べた時の感覚値↓
■営業戦略4、分かりやすいネーミング
消費者側からは、ネーミングを「いきなりステーキ」にすることで、「肉を食べる」ことに焦点が当たります。
つまり、分かりやすい!「ペッパーランチ」と比較すれば一目瞭然ですね。
■営業戦略5、炭水化物ダイエットの影響
また、今のダイエットの流行が炭水化物抜きダイエットなので、お米を食べるのには罪悪感はありますが、「お米を食べず肉だけを食べる」ことには、後ろめたさがありません^^
むしろ、肉だけを「ガツガツ」食べるので、「肉食系の力強さ・パワーを得た!」感じがします。
■営業戦略6、企業イメージ
企業イメージとしては、2008年「ペッパーランチ」心斎橋店で心斎橋店の店長らによる「ペッパーランチ」店舗内での悪質な強姦致傷事件があり、不快な企業イメージがありました。
しかし、名称が「いきなりステーキ」に変わったので、別イメージで入りやすくなりました。もしかしたら、気がつかない人もいると思います。
どのように感じました?これが、分かりやすい営業戦略の例です。営業戦略で、売上が65億アップするわけです。
しかし、その後、大幅な赤字に陥ってしまいました。
その後、ペッパーフードサービスは2020年7月3日、主力業態の1つである「ペッパーランチ」を投資ファンドのJ-STARに売却すると発表したのです。売却額は85億円。
存亡の危機に陥っている「いきなりステーキ」。まず、その要因を考察しましょう。
■要因1:急激な出店増による「カニバリゼーション」
カニバリゼーション(cannibalization)とは、自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」現象のこと。カニバリゼーションには本来「人食い・共食い」という意味があります。
「ステーキを食べるという需要がどこまであるか?」ということを考えることもなく、出店すれば儲かる状況から、わずか5年で15倍!まで店舗数を増やしてしまったのです。
2014年末 30店舗
2015年末 77店舗
2016年末 115店舗
2017年末 188店舗
2018年末 397店舗
2019年6月 472店舗
近くに1店舗しかなければ、行列に並んででも食べたのですが、店舗数を増加しすぎた結果、自社のお互いの店舗で顧客を取り合ってしまったのです。
■要因2:高回転率の維持ができなくなった。
郊外店に出店、席数も増やした(立ち食いでなくなった)ことにより、当初の競争優位性である高回転率を維持できなくなった。
■要因3:原価率の低下
メニュー数を増やした(牡蠣等)結果、オペレーションが煩雑化、人件費が高騰。原価率を高止まりすること(美味い肉を安く提供)できず、赤字に転落。
※いきなりステーキの「いきなりオイスター」
何屋か分からなくなります。↓
もちろん、カニバリゼーションだけでなく、競合店も出てきます(※やっぱりステーキ等)。
店舗を増やしすぎたことにより、一店舗当たりの売り上げが減少し、赤字化。大量の赤字店舗が出てしまったにもかかわらず、店を閉めるにもお金がかかるのでどうしようもないという危機的状況になったのです。
その後、
「ペッパーランチ」事業を投資ファンドのJ-STARに売却した資金(85億円)でリストラを実施しました。
・114店舗閉店
・希望退職者200人
・米国の「いきなりステーキ」の破産
2020年12月期第2四半期の売上高は、前年同期比47.4%減の約184億。純損失を約80億(前年同期は約5億円の黒字)、約55億円の債務超過に転落。
第三者割当増資を実施して約100億円を調達し、再建をはかります。
※迫りくる競合達(やっぱりステーキ)↓
一番重要な「いきなりステーキ」の「顧客提供価値」はなんだったのでしょうか?
「贅沢と思われる『ステーキ』を安く食べたい!」と言うことだったはずです。
そして、それを実現する為の「競争優位性」が
・高回転率を維持(立ち食い・都心部に出店)
・原価率を高めにする(美味い肉を提供)
することだったはずです。
この競争優位性を忘れてしまったが為に、大量出店することで、カニバリゼーションをおこし、高回転率の維持ができなくなり、赤字に転落してしまったのです。
私も大好きな「いきなりステーキ」。今後を応援しています^^
「顧客提供価値」については、以下の記事を参考にしてください↓
顧客提供価値とは?購買体験とは?顧客が真に求めているものを売ろう!
営業戦略事例:ホンダ自動車の背筋が凍る「営業戦略」
さて次は、「あの有名企業」がやっていた「背筋の凍る」リアルな営業戦略をお伝えします。
あのホンダ自動車の戦略です。
世界的な戦略コンサルティングファームである「ボストンコンサルティンググループ(以下BCG)」の堀紘一さんの『コンサルティングとは何か?(著 堀紘一)』から、日本で初めて本格的に大企業で戦略コンサルティング・ファームを使い始めたホンダ自動車の事例を元に、戦略を考察したいと思います。
■あまりに激烈なホンダの戦略
当時、ホンダはヤマハと、2輪車のシェア1位の座を巡って壮絶な戦いを繰り広げていた。
世に言う、「HY戦争」である。
首位の座を狙うと宣言し、大規模な攻勢をかけてくるヤマハに対して危機感を抱いたホンダは、ヤマハを叩きのめすために我々、BCG(ボストンコンサルティンググループ※戦略コンサルティングファーム)を雇ったのである。
ホンダの二代目社長・河島喜好氏からの命令は、まさに「激烈」とでもいうしかないものだった。
1、ヤマハを赤字で無配の会社に転落させる
2、子会社の1社か2社を倒産させる
3、向こう10年間はホンダの尻尾を踏むのも怖くて何もできない会社にする。
4、そのために多少の無茶も厭わないし、金に糸目はつけない
この方針の下、ホンダと我々はそれこそ無数の戦略を立案していった。
(中略)
ちなみにホンダの経営哲学とは、「ビジネスとは勝負事だ」という考えかたに尽きる。
勝負事である以上、喧嘩と同じで、やるからには勝たなければならない。勝てない喧嘩はやってはいけない。
そして、勝つためには多少の出血や骨折は覚悟しなければならない。出血や骨折が怖いなら喧嘩をしてはいけない。
そういうことをホンダから教わった。
日本を代表する企業が世界最高のコンサルティングファームを使って、壮絶な戦いを繰り広げています。世の中の嘘っぽい「おとぎ話」のくだらなさをご理解頂けましたよね。
「もし、あなたの競合企業が、このような(ホンダのような)姿勢で戦ってきたら?」どうしますか?考えてみてくださいね。
戦いますか?それとも、虫けらのように踏み潰されますか?
昔、学校の教科書に出てきた哲学者カントによると、「自ら虫けらになるものは、後で、踏み潰されても、文句は言えない」『権利のための闘争(イエーリング著)岩波文庫』のです。
司法の象徴である「正義の女神」は、左手に「はかり」を持っていますが、右手は、「剣」なのです。正義を貫くには、「剣」が必要なのです。
これが、世の中なのです。
「営業戦略」について、少し、考えてみてくださいね。
営業戦略事例:耐震偽装疑惑で揺れていたアパホテルの営業戦略
さらに、身近なケースから営業戦略について考えてみましょう!
私はビジネスホテルに泊まることが多いのです。出張で「とにかく、寝るだけでいいよ!」って時、ビジネスホテルに泊まることってありませんか?
ありますよね、、。
どんなホテルに泊まります?私は、アパホテルが多いんです。
以前、アパホテルに宿泊した時に驚愕したのです!
「耐震偽装疑惑」が出て、世間から、大非難されていた時(2007年)。
当時、宿泊費が6,000円ぐらいなんですが、なんと、5,000円のキャッシュバックをされてたんです!しかも、その場で、ですよ!!すごくないですか?
1,000円で宿泊できるわけです!!
驚愕でした。
「倒産するかもしれない!」という、ピンチの時、短期的にみると大赤字の戦略ですが、長期的な「顧客囲い込み」に成功しました。
また、ビジネスホテルでありながら、旅館のおもてなしをコンセプトに、「大浴場」があって、仕事の疲れも、吹っ飛びます!(※全てのアパホテルに大浴場があるわけではありません)
実は、、、これは、別の目的もあり、内風呂の清掃コストの削減にもなります。
これは、差別化の一例で、こんなサービスされたら、他のビジネスホテルはバカらしくて泊まれなくなります。
また、最近ですと、お客様に除菌スプレーを自ら促すことで、従業員のトイレ掃除のコストを削減しています。
コロナ禍の2020年で「GO TO」で、宿泊費が、約3,500円!そして、地域クーポン(1、000)を頂けるので、約2,500円!
「ナンジャ、こりゃ〜!」の安さ。こちらが申し訳なくなるぐらいの価格で、応援する気持ちになってきます^^
営業戦略事例:「高島屋」の戦略を「伊集院光」さんの話から考える。
1)営業戦略具体例:他店を紹介するバカな店員の話
「伊集院光さん」ご存知ですよね。以前、伊集院光さんが、「人生が変わる1分間の深イイ話」というテレビ番組で、あるエピソードを話していました。
そのエピソードから営業戦略について考えてみましょう!
奥さんのプレゼントを買いに高島屋へとやってきた伊集院さん。
■伊集院さん:コレ下さい!
■店員:あいにく在庫を切らしております…。
※なんと!!在庫を切らしていた。
■店員:少々お待ちくださいませ
※電話をしはじめた店員。在庫を確認すると思っていたら、
■店員:今、伊勢丹さんに連絡をしたら、在庫があるそうなので、おとり置きをお願いしました!
■伊集院さん:はっ??えっ!?
ライバル店の伊勢丹に、電話で予約してくれたの!?
■伊集院さん:自分が損することを、あえてする店を俺は信用する!
2)営業戦略具体例:一顧客を獲得する広告費を考えれば
どう思いました???大丈夫ですよね。
こんなおとぎ話に騙されないでくださいね(笑)
当たり前ですが、ライバルの伊勢丹の方が接客が良かったら、2度と、お客様は、高島屋に戻ってきません。
そもそも、人間は習慣の動物なので、一度、買ったその店で、また買いたくなります。
この店員は、マーケティングの知識がないので一顧客を店舗に誘導する広告費を考えたことがありません。
いったい、自店舗(高島屋)にお客様を呼び込むのに、一人当たりの広告費をどれだけかけているか?
何万円(何十万円)の広告費をかけているマーケッターの血のにじむような努力胃が痛くなるような努力を考えたことがあるのでしょうか?
売れ筋商品の在庫がないのも小売りの生命線である在庫管理ができていないアホですが、競合に電話しないで、
■自社他店舗に電話するか?
■在庫を取り寄せするか?
■お客様の好みに合うさらに驚愕させる商品を提供すか?
これが販売・営業の仕事ですよね!!
お客様が欲しがった商品がなかったら、すぐに、ライバルを紹介するんだったら、販売員としての「おまえのバリュー(価値)は何なんだ?(笑)」となります。
逆に、「こいつ、競合のスパイか!?」と疑われてもおかしくないですよね。
得意絶頂(ドヤ顔)で、「俺って良いことをした」と思っているかもしれませんが、私が彼の上司なら「激詰め」か「くび」です。
後、一件売らないと「つぶれてしまう!」というリアルな商売・ビジネスの現場を経験したことがないとしか思えません。
上司、社長の気持ちが全く分かっていない責任をもったことがない雇われ人根性です。あなたは、どう思われました?
3)戦略フレームワーク基礎「3C」を理解していれば!
この店員は、戦略を理解していないのです。3Cの概念は、ビジネスパーソンに必須の戦略の基礎です。
あなたが大好きな彼女(彼)があなたに告白してくれたのに、「ライバルの彼(彼女)の方があなたを幸せにしてくれるから」って紹介するんですか(笑)??
バカ??ド変態(笑)??
こんなおとぎ話に、騙されないでくださいね(笑)すぐに、会社がつぶれてしまいます!
こんなおとぎ話を「素晴らしい!」とどや顔で語る営業コンサルがいるので、分かりやすいように、「キツメ」でお話ししています。趣旨が伝わりやすいように、わざとですので、ご理解ください。
営業戦略事例:「俺のイタリアン・フレンチ」
「俺のイタリアン・フレンチ」で客離れが、はじまっています。
「低価格で一流料理人の料理を食べることができる」というコンセプトが崩れたのか?
2014年までの、あの飛ぶ鳥を落とす勢いはどこに行ったのか?
そこで、この分かりやすい事例を元に、もし、あなたが、「俺の株式会社」の坂本社長であれば、「高回転率が維持できず、看板シェフが相次ぎ退職する状況で、どのような営業戦略を実行すれば良いのか?」考えてみましょう!
続きは↓↓
「俺のイタリアン・俺のフレンチ」から日本一分かりやすい営業戦略
営業戦略事例:ピンクオーシャンとは?
「ピンクオーシャン」とは、売り上げ1,358億を稼ぎ出すDMM 亀山敬司会長 の戦略です。
「市場でいうと、ブルーオーシャンでも、レッドオーシャンでもなく、ピンクオーシャンという穏やかな竜宮城でやれている。」
「レッドオーシャン」でもなく、「ブルーオーシャン」でもない「ピンクオーシャン」について、そして、そのDMM問題解決について考えましょう!
続きは↓↓
ピンクオーシャンとは?売上1,358億円のDMMを支える亀山敬司氏の戦略
営業戦略事例:「USJ」を復活させたあの戦略
日本でここ数年で「ハロウィン」が急速に盛り上がってきました。
実は、ハロウィンは「ある男」の仕掛けた「マーケティング戦略」だったのです。
その男とは、森岡 毅氏です。USJの元CMO執行役員です(※CMOとはチーフマーケティングオフィサー)。
ハロウィンを仕掛けた森岡毅氏のマーケ・セールス戦略から、マーケティング戦略の重要点をひもときますので、あなたのビジネスに活かしましょう!
続きは↓↓
日本でハロウィーンを流行らせた森岡毅氏のマーケティング戦略!
営業戦略事例:「このうどんは生きている!?」丸亀製麺
丸亀製麺は、2018年1月から、既存店の前年同月比の客数が16カ月連続で落ちていたのです。
つまり顧客からしたら、
他のうどん屋と「丸亀製麺」って何が違うの?
と、丸亀製麺の強みが分からなかったのです。
そこで、ハロウィンでUSJを復活させた元CEO森岡毅氏(現 株式会社 刀 CEO)が丸亀製麺から依頼を受けて、立て直しを図ったのです。
森岡氏は、どのような戦略を考えたのでしょうか?
丸亀製麺の「強み(他社との差別化)」は、全店に製麺所があることです。
そこでは、小麦粉と塩と水だけで作った「できたてのうどん」を提供していたのです。だから、あのようにモチモチして美味しいのです。
しかし、「全店に製麺所がある」ことなど、消費者は知りませんでした(もちろん、私も知りませんでした)。
そこで、その「こだわり(強み)」を伝えたのです。
それが、「ここのうどんは、生きている。」という伝説のキャッチコピーだったのです。
生きているうどん!めちゃくちゃ、食べたくなりますよね。
下の動画は、「まこなり社長」が丸亀製麺の戦略について解説しています。
かけうどんを1杯頼むと、もう一杯無料のキャンペーンについて、4つの観点から「まこなり社長」の解説↓
1、写真映えするのでSNSで拡散
2、きっかけを作れる(友人を連れて行く)
3、原価を考えると採算が取れている
4、後づけでストーリーが広がる
営業戦略事例:「塚田農場・スタバ」の戦略
地鶏居酒屋チェーン「塚田農場」が2014年5月から2018年1月まで、45ヶ月連続で既存店の売上が減っている事例と、私たちの身近で分かりやすい「スターバックス」の事例から、営業戦略を考えてみましょう。
続きは↓↓
ストーリーとしての競争戦略 (楠木建著)とは? 日本一分かりやすく解説!
営業戦略 オススメ本:『企業参謀(大前研一著)』
先日、クライアントさんと車で移動中に「ネコ」が飛び出してきたんです!
「わっっ!!」何とか、ネコちゃんは逃げられたんですが、、その時、「高速道路の鹿」の話になったんです。
これを読んでくださっている優秀なあなたはご存知かもしれませんね。
戦略ブームを巻き起こした1985年発行の『企業参謀(大前研一著)』での有名なレトリック(たとえ)です。
「企業参謀」に見る、高速道路の鹿の例え
高速自動車道路を走るとき、しばしばお目にかかるのが、路上に転がった鹿の死体だ。
(中略)
私(大前研一)の級友が、森から鹿が一頭出てきたため、車をひどく壊してしまった。鹿は道路を横断するつもりだったようだが、一瞬、方角を見失ったかのように、途中で立ち止まったのだという。
次の瞬間、走って来る級友の車を見た鹿は、頭を低く下げると、車を目掛けて突っ込んできたのだそうだ。
逃げる余裕がなかったわけでもないのに、鹿は不意に現れた車に驚き、判断力を狂わせて、盲滅法、死と直結する方角に突進したのである。
これと似た精神的麻痺は、人間も経験することがないではない。
(中略)
時速200キロ以上で飛ばすと、3車線の広いハイウェイが一車線の幅に縮むように見え、それほど遠くない前方でただの点に凝縮してしまうように思えたのである。
同時に視野が急激に狭くなっていった。
狭まった視野を何とか広げたいという潜在意識はあるのだが、私には真っ直ぐ前しか見ることができなかった。いってみれば、何かの外力にしっかりと押さえつけられているような感じだった。
こうした極限状態のなかに置かれると、人間も鹿と同じことで、命を落とすような愚行もあえて犯すことになるのではないだろうか。
企業の経営管理者といえども、例外ではない。
圧力が厳しくかかればかかるほど、より広範に緊急に観察力なり見解が必要となればなるほどに精神的に物の見方の幅が狭まる危険が増していくものだ。
オール・オア・ナッシングでなく、グレーゾーンで生き残れ!
どう思われました?
ビジネスパーソンに必要な戦略的思考とは、想像力をとことん利用し、論理的に考えることです。
人生も、事業も、ビジネスも、商談(プレゼンテーション)も、オール・オア・ナッシングではなく、理知的に選択肢を探し、グレーゾーンでも生き残っていくことが必須です。
『企業参謀(大前研一著)』は30年の歴史に淘汰されず生き残っている名著です。
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身近なケースから、営業戦略を考えてみてくださいね!「3C」は恋の三角形で覚えてくださいね。
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