プライシングとは、製品やサービスの価格を設定することです。
製品やサービスの販売戦略に大きな影響を及ぼすことからプライシングは単なる「価格設定」のみならずプラシングは「価格戦略」と考えられます。
京セラ名誉会長稲盛和夫氏は「値決めは経営」「経営の死命を制するのは値決め」であるとおっしゃっており、プライシングが企業の経営を左右すると言っても過言ではありません。
価格設定は
・利幅を少なく取って大量に販売すること
・少量の販売であっても利幅を多く取ること
・その中間
など無数の可能性が存在します。
本記事はこんな方におすすめです。
・適正な価格設定が分からず困っているあなた。
・プライシング(価格戦略)が知りたいあなた。
読者(あなた)の悩み
値上げすると、今までのお客様にも売れなくなるような気がして怖いのです。
適正な価格にしたいんですが、どうしたら良いでしょうか?
あなたはプライシング(価格戦略)に悩まれているはずです。
大丈夫です!
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台本営業®コンサルタント加賀田裕之です。
プライシングは重要です。
「値決めは経営である」と京セラの稲森会長はおっしゃっております↓
経営の死命を制するのは値決めです。
値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るのか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあると言えます。
どれほどの利幅を取ったときに、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益が出るのかということを予測するのは非常に難しいことですが、自分の製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めることです。その点はまた、お客様にとっても京セラにとっても、共にハッピーである値でなければなりません。
この一点を求めて値決めは熟慮を重ねて行われなければならないのです。
価格を安くして、利益をとらないようにするのが「お客様思いで素晴らしい」と考えている方もます。
しかし、必要以上に安くした結果、商品・サービスのクオリティが下がり、顧客にガッカリさせてしまい、その結果、売り上げが下がり、スタッフを首にしてしまったり、結局、潰れてしまって、お客様にサービスを提供できなくなってしまっては元も子もありません。
商品・サービスのクオリティを上げ、働いている人の意欲をあげ、雇用を守る。
つまり、将来にわたってお客様に提供できるようにするための利益が必要なのです。
自社のスキルや顧客提供価値を見込み客が理解できれば買ってくれるのです。
■適正な価格はどうしたらつけられるのか?
■値下げした方がいいのか?値上げした方がいいのか?
■お客様から支持される値上げの仕方は?
などについてこの記事で学び、売り上げアップしましょう!
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目次
プライシング(価格設定)4つの方法
プライシングとは製品やサービスの価格設定をすること。つまり「いくらの値段にするか?」です。
適切なプライシングとは、『顧客に提供する「価値」を把握し、それに見合った「価格」を創造する。』ことです。
お客様に支持される価格を、どのように値付けしたら良いのでしょうか?これが、プライシングの問題です。
プライシングは「コスト志向型価格設定」「ニーズ志向型価格設定」「競合志向型価格設定」「心理的価格設定」の4つから、あなたが属する業界や商品サービスの特徴を踏まえて価格を決定します。
1、コスト志向型価格設定
コスト志向型価格設定とはコストに一定の利幅を加えることにより価格とする方法。コスト志向型アプローチには3つの手法があります。
1)コストプラス法(主に製造業)
製造原価に一定率の利幅(マージン)を加えて価格とする「マージン率によるコストプラス法」
2)マークアップ法(主に流通業)
仕入原価に一定率の利幅(マークアップ)を加えて価格とする「マークアップ率によるコストプラス法」
3)目標利益法
自社の目標となる投資収益率を達成できるよう価格を設定。損益分岐点分析を使った手法。コスト志向型アプローチは企業側の都合で価格を設定するため、売れれば確実に利益が出る一方、市場に受け入れられる価格かどうかの検証が必要。
2、ニーズ(需要)志向型価格設定
ニーズ(需要志向型)志向型価格設定は、そのときの市場ニーズ(顧客層が商品サービスにどれだけの対価を支払うか)に合わせて最適な価格を決定していく方法。
市場調査、顧客層へのアンケート調査を行い、その結果に基づいて価格を設定。 設定された価格と必要な利益から、製品・サービスにかけられるコストを算出し、製品開発・材料調達を行います。
市場(顧客)に受け入れられやすい価格になる一方、企業側の利益が十分得られない価格になってしまう可能性もあるため注意が必要。
また、以下のように、繁閑差、時間差、場所の差によって価格をAI等で自動的に変化させる方法(ダイナミックプライシング)をとっている業界もあります。
繁閑差(予約状況等) |
ホテルの宿泊価格、航空券の価格、駐車料金など |
時間差(早朝、深夜帯等) |
バスの深夜料金、高速道路の早朝・深夜割引など |
場所の差 |
飛行機の座席クラス、都市部と地方の家賃差など |
特に、繁閑差(製品・サービスの需要)に合わせて価格を動的に変動させる仕組みを「ダイナミックプライシング」と呼びます。
例えば富士山では、飲み物の価格がどのように高くなっていくか?常識から考えれば分かるように、飲み物は山頂へ行くほど値上がりします。
平地で「500ml150円」の飲料が、
富士山5合目:200円
富士山6合目:300円
富士山7合目:400円
富士山8合目:500円
となります。
3、競合志向型価格設定
競合志向型価格設定は、競合他社が設定する価格を参考にして、競合他社と競うことを意識して価格を決める方法。
例えば、自動車や携帯電話の通信キャリア、ビールなど、寡占市場が形成されている場合に、競合が出している類似製品・サービスの価格を参考に、同等またはそれ以下の価格に設定。 価格の低さをアピールすることで販売につなげる手法です。
ただし競合に打ち勝つことを主に、自社都合を考慮していないため、利益が得られない価格設定となる恐れもあります。
4、心理的価格設定
心理的価格設定法は、ブランド品などが持つステータスや、お菓子などが長年同じ価格で販売されている習慣、あるいは98円などの割安感のある端数などにより価格設定をする方法。
「外車は高価格である」というイメージや、「お菓子は子供でも買いやすい価格」という市場価格から大きく外れないよう設定する方法。
一般的にどんなに高いラーメンでも2,000円ぐらいまでではないのでしょうか。
2万円のラーメンとか、ちょっと想像しずらいですよね。それぐらいの予算だったら、お寿司とか焼肉とかを選ぶかもしれません。
また100円ではなく98円にするなど、割安感のある中途半端な価格設定にすることもこの手法。他にも、均一価格にすることやセット販売で割引を行うことなどもこの手法です。
2,980円と価格設定すると心理的にキリの良い3,000円にしたいという「心理的なエネルギー」が働きます。キリが良くない数字なので気持ち悪いんですね。それが、「購入しよう!」という心理的なエネルギーに変わるのです。
この「未完了を完了したい」という心理的エネルギーを心理学では「ツァイガルニク効果」といいます。「ツァイガルニク効果」とは、終えてしまった事柄よりも、途中で挫折してしまったり中断してしまったりした事柄のほうがよく記憶に残る心理現象のことです。
さてゴリゴリセールスでなく、購買心理を使ってお客様から「欲しい!」と言わせたいあなたは「台本営業®セミナー」で、本物の「売れる営業台本(トークスクリプト)を作成してみてはいかがでしょうか?詳しくは↓
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売り上げアップには順番がある!
価格設定(プライシング)の前に売り上げ額をあげる全体のお話をします。
当たり前ですが、売上額を分解すると「客数 × 単価 」です。
いきなり単価をあげても、その価値を適正価格と顧客が感じてくれないと、購入にはいたりません。
ですから、改善の優先順位としては、客数を増やすことです。
客数を増やす為には、集客に力を入れるよりもまず、成約率を上げましょう。
集客に力を入れても成約率が悪いと、広告費がだだ漏れになってしまうからです。
まず、成約率を上げる取り組みを実施しましょう!
『「集客の取り組み」よりも「成約率を上げる取り組み」が順序としては最初!』という記事は以下にまとめました↓
成約率が上がった後は、成約額を上げます。
成約額を上げる簡単な方法は、
■クロスセル
■アップセル
です。
クロスセル・アップセルについては以下ページを参考にしてください↓
【超簡単に売上2倍!】クロスセル・アップセル・ダウンセルを使いこなそう!
■ステップ1:成約率アップ
■ステップ2:成約額アップ(クロスセル・アップセル)
を実施した後、次は、どうしますか?
そうです!
「粗利率」を改善するのです!!
粗利率を改善するには、1)原価を下げる、2)単価をあげる
さて、
■ステップ1:成約率アップ
■ステップ2:成約額アップ(クロスセル・アップセル)
を実施した後は、粗利率を改善する取組みになります。
粗利率を改善する為には、
1)原価を下げる
2)単価(売価)を上げる
の2つがあります。
あなたならどうしますか?
まず原価をさげる取り組みをしましょう。いわゆるコストカットですね!
■相見積もりを取ったり、
■下請けの職人さんを接待したり、
■スケールメリットを生かした取引を提案したり、
しましょう。
もし、あなたが原価を下げる取り組みを、実施していなければ、早急に行ってください。
コストカットの重要性については以下の記事を参考にしてください↓
「原価を下げる取り組み」も終わったら、いよいよ商品の単価を上げる取り組み(価格設定・プライシング)について考えてみましょう。
売り上げアップについてここまでをまとめます。
■ステップ1:成約率アップ
■ステップ2:成約額アップ(クロスセル・アップセル)
■ステップ3:原価を下げる
■ステップ4:プライシング(単価(売価)を上げる)
単価を上げる取り組みは、営業現場では、批判されがちです。
「これ以上価格をあげたら、売れません、、」と。
そこで、値下げをして、販売数を増やそうとするのですが、その戦略はほとんど失敗します。
安易な値下げは失敗します。次の章でご説明します。
安易な値下げは、失敗する(by マッキンゼー)
「いくらの値段にするか?」をプライシングと言います。
プライシングとは、『顧客に提供する「価値」を把握し、それに見合った「価格」を創造する。』ことです。
安易に、値下げをするとどうなるか?
『マッキンゼー プライシング(The Mckinsey anthology)山梨 広一(著)、菅原 章(著)、村井 章子(翻訳)』から見てみましょう。
適正なプライシングは、利益を拡大する最も効果的で手っ取り早い方法である。
(中略)
価格を1%引き上げたとして売り上げ数量が同じだとすれば、営業利益は8%増える。原材料費や人件費などのコストを1%切り詰めた場合と比べ、利益に与える値上げの効果は1.5倍近く大きい。売り上げ数量を1%増やした時に比べれば、効果は3倍以上になる。
プライシングは諸刃の剣である。
平均価格を逆に1%引き下げると、他の条件が変わらない時営業利益は8%減ってしまう。
企業にしてみれば、「値下げで売り上げ数量が増えれば、減益分を取り返してお釣りがくるから利益は増える。」と言いたいだろう。
しかし、残念ながら、そんなケースは滅多にない。
(中略)
5%の値下げによる減益を埋め合わせるには、売り上げを18.7%も拡大しなければならない。
現実には、値下げだけでそれほど需要が増えるケースはきわめて稀である。
値下げをして売り上げ数量を伸ばし最終的に増益に結びつける戦略は、どんな市場・業界でもまず失敗に終わる傾向にある。
「5%の値下げによる減益を埋め合わせるには、売り上げを18.7%も拡大しなければならない。
値下げをして売り上げ数量を伸ばし最終的に増益に結びつける戦略は、どんな市場・業界でもまず失敗に終わる傾向にある。」
安易な値下げ戦略は、失敗するのです。
経営者は高所得者をターゲットにしないといけない
お金を出してくれる顧客がいるおかげで、お金を出さなくて良い顧客がいます。
それを、西野亮廣氏がyou tubeで分かりやすく説明されています↓
VIPからまとまった確保をしておかないと、全体の商品サービスの値段が上がってしまう。
飛行機はファーストクラス・ビジネスクラスがあるから、エコノミーが低価格で提供できている。
こんなのってサービス設計の教科書の1ページ目に書かれているようなことなんですけど。
(中略)
アンチだけでなくて一部のファンも価格設定に批判をしてしまうと、クリエーターや経営者はファンに嫌われたくないからと言って値段を下げる。そうするとどうなるか?
スタッフのギャラ・給料を下げるか、あるいはお金に余裕のない顧客から多くのお金を取ることになる。当然こんな世界、誰にも優しくないんですね。
(中略)
ここはもう持ちつ持たれつですよね。社会っていうものは互いに支え合いながら回していくもんじゃん。
特に、今の日本は個別で生きられるほど余裕ないですよ。出せる人に出してもらってご馳走様でいいんですよ。
クリエーターや経営者はもっと声を上げなきゃダメだよ。
高価格帯の商品を出したときに、そもそもその商品を買う気がないお客さんから「高い!高い!」と言われた時は、「この商品をこの値段にしているから、あなたが買ってくださった商品を下げることが出来たんですよ。」と声をあげなきゃダメ。
要するに、自分の顧客にそこの教育をしなければダメ。それをしないとあんたを信じてきてくれてるスタッフとお客さんを痛めつけることになるから。
※【西野亮廣】クリエイターと経営者はちゃんと説明しろ↓
そして、高価格帯の商品サービスを購入してくれる顧客がいるからこそ、低価格帯の商品サービスを提供できるということを、自らのスタッフはもちんろん、顧客にも教育する必要があるということです。
富裕層セールスについては以下の記事を参考にしてください↓
価格アップの方法
価格アップは少しずつ
価格は上げることはできても、特別なキャンペーンで一時的に下げる時などを除いて、下げるのは危険です。
値下げすると顧客は「この商品サービスは売れてないので値段が下がったのだ」と思って、「人気がないので買うのをやめよう」と購買意欲が下がってしまう可能性があるのです。
ですから、顧客の購買意欲に比例して価格アップは慎重に、少しずつ、上げるのがコツです。
顧客が適正と感じる価格はあなたのブランディングに比例する
顧客が適正だと感じる価格は、ブランディングに比例します。
■あなたの(あなたの会社の)本質的な価値は何か?
■わかりやすく伝わっているか?
によって、価格が適正か?を感じるのです。
※ブランディングについては以下ページを参照してください。
ブランディングとマーケティング・セールスの違いを知って売上アップしよう!
単価アップの方法
では、具体的に単価アップはどのようにすればいいのでしょうか?
簡単です。
例えば、
■アフターフォローをあつくするプラン。
■商品・サービスお期間を長くする。
■複数のプランをまとめてパッケージにする。
などです。
見込客に、複数のプランを提示して選んでいただくようにしましょう。
複数プランの提示方法は以下の記事を参考にしてください↓
お金は出すから、もっとアフターフォローをしっかり、顧客対応を丁寧にしてほしい顧客はたくさんいます。
富裕層を顧客にするなどイメージすれば簡単です。
値上げは自然に
逆に、値上げに失敗するケースは「値上げを大々的に告知するケース」です。
値上げの罪悪感からか、『原価高騰などの事情により、◯月◯日から○○円値上げをします!】など、お金をかけて、自ら値上げを告知しているケース。
そもそも、お客様は値上げしたことに気付いていません。
値上げをしたことで、クレームを言うお客様は、そもそも、あなたの商品・サービスのファンでないのです。
プライシング・価格設定戦略:まとめ
プライシング・価格設定戦略、特に売り上げアップの取組みを「要約」しますね。
売上アップの取り組みは、
■ステップ1:成約率80%への取り組み
・新規顧客の増加
・流出顧客の減少
・利用頻度の増加
■ステップ2:成約額(クロスセル・アップセル)を実施!
・注文点数の増加
■ステップ3:原価削減の取組み
■ステップ4:プライシング
安易な値下げ = 失敗です。
しかし、同じように、安易な値上げもお客様に認めていただけません。
「どのように、あなたの商品の付加価値を上げるか?」常に考えてください。
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