こんにちは!私は、
ローボールテクニックってどういうテクニック?
ローボールテクニックって使えるの?
あなたは、ローボールテクニックに興味があるはずです。
詐欺師のように心理テクニック長けた人間が使う心理スキルに「ローボールテクニック」があります。
あなたに、悪用厳禁の営業心理学「ローボールテクニック」をお伝えします。
目次
ローボールテクニックとは?
「ローボールテクニック」とは?例えでご説明しますね。
キャッチボールを想像してください。
最初に取りやすい玉を投げて、キャッチさせます。
そうすると、その後、取りにくい高い玉を投げても、キャッチしてしまいます。
■取りやすいボール:好い条件で、受け入れやすくした取引
■取りにくいボール:元々、承諾させたかった悪い条件の取引
なのです。
ローボールテクニックとは、「悪い条件を隠しておいて、良い条件で取引を受け入れさせた後で、隠していた悪い条件を持ち出す」というように使用します。
ですので「承諾先取要請法」とも言われます。
ローボールテクニックは「2倍の承諾率」を引き出す
アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニの心理実験でも「ローボールテクニック」の効果が明らかになりました。
■実験内容
学生に対して、2種類の依頼で、その承諾率を比較する。
●条件A:普通に依頼
「明日、7時に研究室に来てくれないか?」と依頼する。
→ 承諾率30%
●条件B:ローボールテクニックで依頼
「明日、研究室に来てくれないか?」と依頼する。
承諾後に「時間は朝の7時からです。」と付け加える。
→ 承諾率56%
条件Aの普通の依頼では承諾率「30%」に対し、条件Bのローボールテクニックを用いた依頼では約2倍の「56%」の学生が承諾したのです。
ローボールテクニックは、まず、相手の承諾を引き出すことができれば、普通に頼めば断られるような依頼も、約2倍の承諾率を引き出せるテクニックなのです。
※日本人には朝7時でも、大学教授の依頼であれば普通に来ますが、そこはお国事情ですね。
日常で使われているローボールテクニック
「ローボールテクニック」実は、日常生活でよく使われているのです。
例えば、恋愛で
■独身男性と思って付き合っていたら(良い条件)
■実は既婚者だった。(悪い条件)
好きになっているので、別れることができなくなっている。
●●%オフセール
■「90%オフセール」などの魅力的な条件でお店に入る(良い条件)
■欲しくなって購入しようとレジに行くと、欲しくなったセール対象外と知らされる(悪い条件)
欲しくなったので、つい買ってしまう。
不動産賃貸物件
■駅徒歩3分。収納スペースも広い。デザイナーズマンションで安い。(良い条件)
■実際に問い合わせて、来店するとその物件はなくなってしまっている(悪い条件)
せっかく来店したので、ついつい他の賃貸物件を契約してしまう。
どちらも、最初に良い条件だと思って意思決定したら、次に、悪い条件を提示されました。
冷静に頭で考えれば、悪い条件なので、「NO」と否定しそうです。
しかし、一度、承諾しているので、心理的に断ることに抵抗がでて、ついつい、「YES」と言ってしまうのです。
因みに、不動産賃貸では、あまりにこのようなローボールテクニックが使われたことがありました。
そこで、不動産賃貸のポータルサイト(suumoなど)では、実際にない物件を掲載して呼び込んだことが発覚すると、「コンプライアンス違反で、その会社の物件が掲載できなくなる」という厳しい罰則ができたのです。
ローボールテクニックは「一貫性の法則」を使っていた
ローボールテクニックとは、
■ステップ1:相手にとって受けれやい条件で「YES」をとる
■ステップ2:承諾後、「良い条件」ではなく「悪い条件」を提示
するテクニックです。
ここで、あなたは、不思議に思われたかもしれません。
なぜ、人は、頭では、「悪い条件」と分かっていながらも、「NO!」と言えなくなってしまうのか?
それは、一貫性の法則(コミットメントの法則)を使用しているからです。
一貫性の法則(コミットメントの法則)とは?「人は、一度何かを決めるとその決定を持続するようになる。」法則です。
そして、その意思決定が、以下3つのような場合
1)強制でなく自分で決断
2)行動(努力)を含む
3)公表される
さらに強力に働きます。
ローボールを使われてクーデターにあったケース
「ローボールテクニック」とは、最初に、「甘い条件」で相手から「YES」を引き出します。
その後、「悪い条件」でも「NO」と言わせないテクニックです。
少し考えれば、「騙された!」と気づくテクニックですから、信用を一気に失うテクニックです。
しかし、巧妙にこのテクニックがビジネスで実に巧みに使われるのです。
僕は、「ローボールテクニック」を考える時、2001年、あの「クレイフィッシュ騒動」を思い出すのです。
クレイフィッシュ騒動とは、松島庸氏(史上最年少のマザーズ上場社長)がクーデターに遭い、持ち株を詐取され、社長の座を降ろされた騒動です。
あの騒動を要約すると、営業ができなかった松島氏が困っていたところ、「光通信」が好条件でクレイフィッシュの営業代行を引き受けたのです。
そして、「光通信」なしでは営業が回らなくなってから、営業代行の料金の引き上げをされ、「株」の譲り渡し、最後に、乗っ取られてしまった26歳の若者の話です。
ローボールテクニック対処方法
ローボールテクニックに対する対処法は3つです。
■対処法1:最初からその条件を知っていたら、自分は悪い条件を引き受けただろうか?
と自問自答する
■対処法2:この人は、自分を騙そうをしているか?
最初から騙そうとする人との取引はその後もうまく行くはずがありません。
一見もっともな理由を言ってきますが、疑ってください。
その理由は本当なのか?
■対処法3:「一貫性を保ちたい」のが心理圧力だと認識し、冷静合理的に対処。
私たちは、一度承諾してしまうと、「断ったら、相手に嫌な思いをさせる事になるんじゃないか?」と考えて、不利な条件・契約を受け入れてしまいがちです。
しかし、元々、騙そうとしている条件・契約なので、冷静・合理的な判断が必要です。
「相手に悪意がある場合は、自分に不都合な取引に対して、自己中心的な対応をとる」
ことが、ローボールテクニックに対応する方法なのです。
「フットインザドア」と「ローボール」の違い
「ローボール・テクニック」と似た心理テクニックに「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」があります。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、文字どおり、「ドアを開けてもらって、まず、足をいれてしまう。
その後、だんだん、入り込んでいく心理テクニック」です。
つまり、「小さな要求から承諾してもらい、徐々に大きく承諾してもらう」という話法です。
ローボール・テクニックもフット・イン・ザ・ドアテクニックも
■一貫性の原理(自分の行動に一貫性を持たせようとする心理)」を利用し、
■そのままだと承諾を得られなかった取引を締結できる可能性がある
点では共通しています。
しかし、以下のような明確な違いがあります。
■ローボールテクニック
好条件の取引だと「見せかけて」、本来の締結したい取引は別。
承諾後に、最初の好条件の取引はなくなり、別の条件の取引が出てきます。
■フットインザドアテクニック
小さな取引を承諾させて、その後、本来の締結したい取引を出す。
段階的に締結する。
もうお分かりですね。
ローボール・テクニックは「隠された悪い条件」を最後に出すので、相手は「騙された」と思う可能性があります。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは「小さな要求を積みかさせねていく」ので、相手に不快感を与える可能性が少なくなります。
フット・イン・ザ・ドアテクニックについては以下のページを参照してください↓↓
■悪用厳禁■トップセールスも使う「フット・イン・ザ・ドア」の超具体例!
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