あなたもこんな風に契約をちらつかされて、お客様からの困ったお誘いを受けた事があるかもしれませんね。
ビジネス関連のお食事の誘いは、ある意味セクハラに値するケースも多く、顧客だけでなく、社内で発生する事もあるでしょう。
仕事をしていく中で、力関係や立場の違いから、さまざまなハラスメントが発生している中、女性社員が経験する比重の高いのが、この問題です。
特に女性営業マンや接客業の方は、男性営業マンや他職種の女性の方と比べても、このようにお食事やお酒のお相手など、ビジネスを超えた、困ったお誘いに遭遇する機会が多いようです。
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黒木愛です。
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女性営業マンの中には、契約を取るために「食事の誘いくらいは~」と思ってしまう人もいらっしゃいますが、この判断はとても危険です。
この記事では、私が、営業マンとして実際に経験したエピソードから編み出した、『セクハラまがいなお誘いの対処法や上手な食事のお誘いの断り方』をご紹介します。
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目次
食事の誘いからセクハラや枕営業に発展するケースは実際あるの?セクハラの割合は
結論から先にお伝えしますと、
もちろん人によると思いますが、実際に私が経験した事や、後輩と同僚たちを見てきた中で、正直少なくないと思います。
以下のデータは、食事からの誘いに絞ったものではないですが、仕事をしていく中で、セクハラを経験された方の割合を、厚生労働省がデータ化したものです。
こちらは、厚生労働省が出している『過去 3 年間のハラスメント相談件数の傾向』(令和3年度)のデータですが、企業調査で、パワハラ、セクハラ等について、過去 3 年間に相談があったと回答した企業の割合は、以下の通りだったそうです。
■パワハラ:48.2%
■セクハラ:29.8%
※出典:「職場のパワーハラスメント対策について」 – 厚生労働省
https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001060181.pdf
女性がセクハラを経験した割合は、全体の3割という事で、多いと感じたのか少ないと感じたのかあなたはどちらでしょうか。
私としては、あってはいけないはずの事が、当たり前みたいになっている現実が正直、悲しいを超えて、セクハラをやっている人に対し、情けないと感じました。
また、弁護士相談プラットフォーム「カケコム」を運営する株式会社カケコムが、勤務経験がある男女100名を対象に、「職場でのセクハラ経験に関するアンケート」を実施した結果では、なんと、女性の8割がセクハラ経験者だったというデーターも!
この差は何だろうか?と思ったのでさらに別のデータも見てみました。
インターネットメディア事業を手掛けるセレスさんが調査した「職場でのセクシュアルハラスメント調査」の調査結果では、女性社員がセクハラを経験した割合は29.3%と、やはり約3割でした。
おそらく、「カケコム」との差は、調査人数の違いで、1,000人以上を対象に調査すると、3割くらいの確立で女性社員はセクハラを経験されているのだと思います。
10人いたら3人がセクハラに遭遇していると思うと、女性にとって身近な問題である事が顕著です。
セクハラが発生した時みんなはどう対処しているの?
セクハラを経験した際に、多くの方は、どのように対策しているのでしょうか。
と、友人や同僚に相談した方に続いて、多かったのがなんと、「誰にも相談をしていない」という結果に。
恥ずかしいからなのか、言っても解決できないと思ったからなのか、一人で悩みを抱えている人が実に多いのです。
顧客からのお誘いの上手な断り方
断ると気まずくなるしどうしよう・・・
あなたは今こんな風に悩んでいませんか。
ここからは、早速、お客様から食事に誘われた際に、気まずくなりにくい上手な断り方をご紹介します。
なお、食事の機会を与える事で、セクハラを誘発してしまう事にもつながりますので、ここはしっかり押さえておきたいところですね。
断りにくいあなたに、こんな言い方はどうでしょうか。これから具体的に説明します。
社外編・見込み客からのお誘いの上手な断り方
冒頭の例のように、見込みのお客様から、食事のお付き合いを要求されるケースは、女性営業マンなら誰しもが経験する事だと思います。
実際、飲みながら契約していく営業マンもいますが、女性営業マンに関しては、私はお勧めしません。その理由は、お誘いがエスカレートしていくから。
女性営業マンは、自分の身は自分で守らないといけません。お客様が勘違いするような言動を控えるのも、プロとしての大切なスキルです。
見込みの顧客からの誘いの上手な断り方
<断る際の注意点>
相手のプライドを傷つけないように気を付けよう!
断る際は、お客様のプライドを傷つけないように、まずは誘っていただいた事に感謝の言葉を伝えましょう。
<断り方の事例>
「お誘いいただいて嬉しいです。ありがとうございます!とても残念なのですが、(契約前の)お客様との個別の食事は禁止されているんです。」
このサイトでは、主に営業マン向けに書いていますが、上記断り方は、営業マンだけにとどまらず、接客業や一般職でお客様やクライアントなどから誘われた場合にも使える断り方です。
実際にこの断り方をして、グイグイ来た人もいましたが、多くの人が断りたいんだという事を理解し、以降お誘いはしないでしょう。
また、営業の場合は、食事を共にした方が、確かに契約しやすいという事はあると思います。
ですが、女性営業マンの場合は『契約前の』と伝える事で、断ったことによって契約が遠のくという事は少なくなるでしょう。むしろ、契約が、お相手の視野に入る可能性が上がるかと思います。
ちなみに、私が以前勤めていた会社の、男性トップセールスは、ノミニケーションをしながら、どんどん契約をしていました。
その様子を見ていて、「飲みの席を共にすると、ラポールがかかるので、契約につながるんだ」と思いましたが、実際、それを年頃の女性がやってしまうと、お客様に変な期待をさせてしまう事につながり、交際を迫られたりすると、食事を断る以上に、関係性が悪化し気まずくなります。
お客様との関係を守る為にも、上手に断りましょう。
社外編・担当顧客からの食事の誘いの上手な断り方
見込み客が契約になり、自分が担当になった際、信頼関係が出来てくると思います。
すると、次に出てくる女性営業マンの悩みの1つが、仲良くなればなるほど、男性の既存のお客様からのお食事の誘いの機会が増えてくるということ。
女性営業マンにも2通りいて、「お客様との食事が好き!!」という女性営業マンは少ないですが、「仲良くしたいから、特に食事を一緒にするのは嫌じゃない」と思っている人と「お客様とは仲良くしたいけど、お食事はしたくない」という人に分かれます。
ちなみに私は後者で、お客様と食事をするのは苦手でした。苦手な理由は、どんなに高級な食事をご馳走になっても、気を使いながら食事をするのは、どうも味がしないというか・・・
しかし、お客様からのお誘いを断ると、その方からのお買い足しや知人の紹介など、契約の機会が減ってしまうという事実もあります。
契約のチャンスを逃がしてしまう事を懸念して、食事に行ってしまう気持ち、わかります。
では、既存客【担当している親しいお客様】からの食事のお誘いを上手に断るにはどうしたらよいのでしょうか。
<既存客からのお誘いの上手な断り方・例>
①お気遣いいつもありがとうございます。せっかくのお誘い嬉しいのですが、会社から、お客様との個別の食事は禁止されているんです。
②ありがとうございます、せっかくのお誘い嬉しいのですが、小さな子供がいて、夕方からお迎えがあるんです。子供がもう少し大きくなったらぜひご一緒させてください。
③ありがとうございます、せっかくのお誘い嬉しいのですが、実は、今、体調不良の家族がいて、夜は時間が取れなくて、またこちらから誘わせてください。
④せっかくお誘いいただいたのに残念ですが、この後商談がありますので、次回また会社にご挨拶に寄らせてください。
⑤お気遣いいつもありがとうございます。せっかくのお誘い嬉しいのですが、今月成績が悪くて、叱られてばかりで・・・契約取れるまで残業続きなんです、、〇○さん、もう1つどうですか?
①に関しては「契約前のお客様と個別の食事は禁止されているのです。」と言っていた見込み客が、実際に契約して顧客になったら使えないですね。その場合は、②~⑤で試してみてください。
営業マンの場合は、ビジネスの話に切り替えると、営業をかけられると思い、お客様も話を逸らしたくなるでしょう。ここで、じゃあもう1個買うとなったら、願ったりかなったりですね。
既存の顧客に関しては、正直断りにくい大切に思っているお客様もいらっしゃると思いますので、どうしてもという場合は、夜のお誘いをされても、「ランチなら」と切り替えると良いでしょう。
実際、食事を断ってから、嫌みを言われたり、関係性が希薄になり、契約の機会が減ってしまった事もありますが、あなたがもし、食事に行こうか迷っていたら、できるだけ断る勇気をもって欲しいと思います。
その理由は、この後の私が経験したケーススタディでご紹介します。
ケースステディ①担当顧客からの食事からセクハラに発展した。
お客様は、セクハラのつもりはありませんが、食事を共にするのが当たり前だと感じている人もいらっしゃいます。
しかし、必要以上の関係性をもつ事は、私個人としては避けたいのです。
その理由は、こんな経験からです。
私が当時担当していたお客様は良いお客様だったので「食事くらいはいいか」と思い、夜の食事を一緒にした事がありました。すると、「2軒目も予約している」からや、「予約キャンセルしたらキャンセル料を取られるから」と言われ、申し訳ないので2件目もお付き合いしました。
なかなか帰れず、最後はタクシーで帰ることになったのですが、お客様をご自宅までお届けすると、部屋に誘われたのです。もちろん断りましたが、次からは気まずくなってしまい、その後、担当を変えてもらいました。
結論、最終的にはセクハラに値する行動をとられた後は、上司に相談をし、担当を変えてもらう事で解決できるのですが、そもそも、私が食事に最初からいかなければ、セクハラは起きなかったので、食事に行った事で隙を与えてしまったのです。
自分にその気がなくても、やはり行くだけで勘違いされる事はあります。
以降、食事の誘いは勇気をもって断るようにしています。
ケースステディ②担当顧客と食事した事で家族が不審に思った。
これは、私の同僚のケースですが、担当顧客からの食事のお誘いがある度に、全て対応していた女性社員のお話です。
この女性は、20代後半、顧客はとても素敵な70代ジェントルマン男性です。
商材を購入してもらい、フォローでお伺いするたびに、食事に誘われていた女性営業マンは、毎回ご一緒していたところ、家族からその行動を不振がられてしまったようです。
年齢は50歳近く離れているので、祖父と孫のような感じだと思うのですが、そう思ったのは女性営業マンだけで、70代のお客様にとっては嬉しくて、その子の話ばかりを自宅でするようになったそうです。
すると家族が、毎回食事を一緒にしている様子を異様に感じたようです。
その後、「お宅の会社はどういう営業されているんですか?キャバクラまがいな事はやめていただきたい」と、クレームがあったのです。
毎回食事に行く同僚に「断りにくいの?」と聞いたら「いえ、食事は楽しいです」と言っていたのですが、やはり本人が嫌ではなくても女性営業マンは、相手を勘違いさせてしまうという責任も持ちながら、節度ある営業をされる事をお勧めします。
長く営業の仕事を続けていくためにも断る勇気を持ちましょう。
お客様からの食事の誘いを上手に断る手段は直接?メール?LINE?電話?
お誘いを受けた際、まず手段を考える前に、大切な事は、誘われたらなるべく早く反応してあげること。
長く待たせて断る事で、より溝ができてしまいます。
断る手段には、
①直接会って伝える。
②メールやLINEで伝える。
③電話で伝える。
といった3つのパターンがあると思いますが、基本的には、どんな場合も、相手に合わせる事を一般論では推奨されると思います。
たとえば、LINEできたらLINEで返す、電話なら電話でといったように。
直接会った時に誘われたなら、その場ですぐ断りましょう。間髪入れずに反応した事で、本当に時間がない人なんだなという事が伝わり、嘘をついた感じにならないです。
LINEやメールであれば、文章が上手な人であれば、LINEやメールでもよいと思います。特にLINEは絵文字が使えるので、やんわりした返しができるでしょう。
ただ、文章はニュアンスが伝わりずらく、時に冷たく感じギクシャクしてしまう恐れがあります。
その為、LINEやメールできた際は、電話で、他の用事の連絡をした事にして、最後に、付け加えて口頭で伝えるのがベストでしょう。
たとえば、「今回ご連絡をいたしましたのは、この度新しい〇〇が始まりまして~」や「先日お買い求めいただいた製品について気になる事や困っている事はないですか?」など、ビジネスの連絡をした最後に、「先日LINEでお誘いいただいた件なのでが~」とさらりとカジュアルにお断りするのがよいでしょう。
相手にとってうれしくない出来事(食事の誘い断られること)は、文章に残さない方がいいという事です。LINEやメールを後で見返し、誘いを断られた事をずっと根に持ってしまうこともありますよね。
セクハラの上手な対処法
社外のセクハラに関しては、冒頭でお伝えした通り、セクハラのつながる食事のお誘いに乗らない事で、防ぐことができます。
もし、食事に行かなくてもセクハラまがいな言動があるのであれば、答えは簡単です。
上司に相談して、担当を変えてもらいましょう。
中には自分自身が、担当を変えたくないケースもあるでしょう。それは「そのお客さんからさらに契約してもらえそうな時」「紹介が出そうな時」でもですね、それは、煩悩です。
厳しい言い方となってしまいますが、セクハラを我慢して、契約してもらってから担当を変えるのは、まずもっての外で、かといって我慢してまでセクハラまがいな事を続けていかれるのは、枕営業の一歩手前になってしまいます。 そのお客様へ時間と労力をかけるなら、もっといいお客さんに出会う為に、営業力を挙げましょう!
自分の身体と心より大切なものはありません。
ちなみに私は以前、とある男性のお客様の担当になった際、愛人契約の話をちらつかされて、毎回聞き流していたのですが、担当として、ビジネスフォローで伺うたびに、『愛人』というキーワードを出されて、これ以上関わると返って気まずくなると、当時の部長に相談したところ、なんと、「黒木さん、あなたはだいぶ大人の女性なのだから、自分で何とかしなさい」と言われたのです。
唖然としました(;’∀’)
このように、面倒な事から逃げてしまう上司もいます。身近な上司が手を差し伸べてくれない・・・さあ困ったぞ。
このような時は、周囲に困っているという事を話し続ける事で、自然とその上の事業部長の耳に届いたようで、女性営業マンに対してのフォローが手厚くなり、解決しました。
なお、『最初から直接その上の上司に相談』にという事は、直属の上司のプライドがあるので、なるべく避けた方がいいですね。何事も、1人で抱えず、誰かに相談し続ける事で解決策が見えてくるでしょう。
「枕営業」対処法については、以下の記事も参考にしてください↓
社内セクハラの上手な対処法
社外だけでなく、セクハラの魔の手は身近な社内にも発生します。
私が行った対策は「〇〇さん、通報しますよ~」と、まずはカジュアルに言ってみることでした。
同じ職場内なのでギクシャクした関係にしたくなかったので、セクハラの軽いうちはこの言い方で、ある程度まではおさまりますが、セクハラをしている人ってセクハラの意識がないんですよね。
もはや癖みたいになっているので、おさまらない時は、オフィスのみんなが聞こえる前で、「〇〇さん。ほんとにセクハラやめてください~!部長~!〇〇さん又セクハラするから助けて~」とまたカジュアルに言っていました。
すると、周りがオモシロおかしく、「〇〇さん、又セクハラしてるんですか、ほんとに辞めなよ」と言ってくれたり、本人は、「この人にセクハラをすると笑い者にされる」とインプットされ、やがて辞めていきます。
ペナルティを与えるのもよいでしょう。次回セクハラをしたら、私と〇〇ちゃんに、「久兵衛(高級店何でも良し)おごってくださいね!」と約束させましょう。
もし、それでも止まらない深刻なケースは、社内のコンプライアンス部門に相談してみてくださいね。
お客様から食事の誘いの上手な断り方・セクハラ対処法!女性営業必見!【私の実録】まとめ
今回は、顧客から食事のお誘いを受け、困っている女性営業マン(女性ビジネスパーソン)向けに、対処法(対策)をご紹介しました。
では振り返りで、まとめです。
・お客様からの食事の誘いの上手な断り方ポイント
<①相手のプライドを傷つけないよう配慮する。
②お誘いを受けた事に対して感謝し、嬉しいという気持ちをまず添える。
③断る正当な理由を伝える(社内規定・家族の問題など)
・お客様のお誘いを断ったことで、契約が遠のくと言った心配はしない事。
・お客様の食事のお誘いをなるべく断る事でセクハラに発展しにくくなる。
・万が一、セクハラやしつこい食事の誘いがあり断れない時は、1人で抱えず上司に相談する。
・上司に相談しても解決できなかったら、その他大勢に相談する事で、その上に伝わっていく。
※参考:女性営業マンの悩みと強み
いかがでしたか。
ビジネスは、相手との良好な関係の中で成り立つものであり、どちらかが傷を負いながら続けるものではありません。
クライアントと営業マンの関係であろうと、上司と部下の間柄であろうと、その関係性は同じです。
もし、あなたが仕事の為に、自分の心と身体を犠牲にしている事があるならば、今すぐに対処してほしいと思います。
自分の事を大切に行動した結果、契約できなくなってしまったり成績が下がってしまう事があったとしても、長い目で見たら、困った1人の顧客に時間を費やすくらいならば、営業スキルをアップして、良いお客さんとの出会いをどんどん増やしていった方が生産性も上がりますし、価値のある時間になるはずです。
そのためにも、まずは自分で自分を守る為の言動を心がけてみてくださいね。
あなたにこれからも、営業の仕事に誇りを持って、人生を楽しんでほしいと思います。
「そうはいっても難しいな~出来るかな~」と不安に感じたあなたへ。
大丈夫です♡
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