不動産売買 諸費用計算書とは?具体例。作り方。他の営業マンと差別化しよう!

先日、マンションをご案内したお客様が結構前向きに検討してくれていたんですけど「リフォームとかも含めると諸費用が結構かかりそうだからやっぱりやめます」と断りの連絡があったんです。

 

内見時に見積りがなくても説得できるものでしょうか? それとも、時間がかかっても見積りを取ったほうが良かったんでしょうか?

結論から言うと「不動産売買 諸費用計算書」を内見時に用意することで、見込客の信頼を得ることができ、他の営業マンと差別化できます。

 

 

不動産売買の諸費用とは、不動産購入に必要な費用から「物件価格」を除いたもので、物件価格(土地と建物)以外の全てが諸費用になります。

 

代表的な諸費用は、不動産購入のために組んだ住宅ローン手数料、仲介手数料、火災保険料、印紙税、不動産取得税、リフォーム代、引っ越し代、家具代などです。

 

 

内見時などで、「購入諸費用」とか、「リフォーム費用」とかの質問された時に「諸費用」をお伝えすることで、見込客の信頼を、一気に得ることが出来るのです。

 

この記事では、「不動産売買 諸費用計算書」の具体例と「不動産売買 諸費用計算書」について解説しますので、内見時に提出することで他の営業マンと差別化しましょう!

 

 

購入資金試算表を準備して内見に臨みましょう!

「購入諸費用」に関しては、必ず書面で準備してお渡しするようにしましょう!

 

不動産購入における諸費用についてお客様から質問された時には、「高めの金額提示をしろ」と社内教育されることが多いのではないでしょうか?

後から金額が上がってしまうとクレームになるからという理由ですね。

 

そして、「中古不動産購入の諸費用は物件価格の7~8%位で伝えろ!」と教育されているかと思います。

 

 

はい。

私の会社では「8%くらいで伝えろ」と言われてます。

 

 

そうですよね。

 

そうすると、4,000万円の物件だったら「諸費用はだいたい320万円前後になります。」と伝えているということですね。

 

クレームを回避するために高めに伝えることも大切かと思いますが、私は購入諸費用に関しては「購入資金試算表」を準備して内見に臨むようにしています。

 

より正確に費用を提示することで、他の営業マンと差別化でき、見込客の信頼を得ることができるからです。

 

 

 

不動産購入の諸費用の大きな内訳としては、

 

①仲介手数料

②銀行の融資手数料(保証料等)

③登記費用(登録免許税等)

④火災保険料

 

 

大きなものはこの4点です。

 

次の章から、具体例とポイントをお伝えします。

 

不動産売買 諸費用計算書:購入資金試算表

 

以下は、私がいつも提示している購入資金試算表です。

 

 

不動産売買 諸費用計算書

 

ご覧の通り、4,000万円の物件の場合、諸費用はだいたい280万円です。

8%での計算だと40万円も高くしてしまっていることが分かります。

 

「この費用に、リフォーム費用、引越し費用、家具等別途費用がかかります」と伝えましょう。

 

以下、具体的に説明します。

 

契約関係諸費用

 

①売買契約書印紙

 売買価格が1,000万を超えて、5,000万以下までが1万円。

 5,000万を超えて、1億以下が3万円。

 1億を超えて、5億以下が6万円

 

 

②登記費用

 後述(次の章で解説)

 

 

③固定資産税等精算金

 年額を売主に確認して、引き渡し日で日割り精算になるので、年額を参考に記入。

 

 

④管理費等精算金

 マンションの場合、管理費と修繕積立金の月額を売主に確認して、引き渡し日で日割り精算になるので、月額を参考に記入。

 

 

⑤仲介手数料

 (売買代金×3%+6万)×1.1%

 ※6万は物件価格によって異なる。1.1%は消費税。

 

 

⑥不動産取得税

マイホームとして、50㎡(約15坪)以上の物件であれば、よっぽど古くない限り一定の軽減措置を受けられる為、ほとんどかかりません。

※売り主から評価証明書をもらい計算します。

 

ローン関係費用

 

①ローン事務手数料

 金融機関によって異なりますが、一般的には、借入金額×2.2%

 

 

②金消契約印紙

 売買価格が1,000万を超えて、5,000万以下までが2万円。

 5,000万を超えて、1億以下が6万円。

 1億を超えて、5億以下が10万円

 

 

③保証料

 ローン事務手数料と同じ(都市銀行だと保証料という名目のところもあり)

 

 

④火災保険料

 後述(次の章で解説)

 

次の章から、不動産売買諸費用計算書の中の、登記費用(登録免許税等)と火災保険料について解説します。

 

 

不動産売買 諸費用計算書:登記費用(登録免許税等)と火災保険料

登記費用(登録免許税等)と火災保険料は、実際に見積りを出さないと詳細金額は分かりません。(※登記費用は司法書士、火災保険料は保険代理店に購入申し込み後に見積もりを依頼)

 

ですので、登記費用は概算で30万、火災保険料は概算で20万で出しておき、試算表の中に「要見積り」と記載しておいて、具体的な検討になった時に見積りを出すようにしてもよいと思います。

 

 

このように諸費用の内訳・詳細を分かるようにして、更に書面でお渡しすることで他社の営業マンと差別化もできるのです。

 

オープンルームなど現地販売会の現場ではこのような購入資金試算表を用意している不動産会社が多くなっているように思います。

 

口頭のみで「諸費用はだいたい物件価格の7~8%です」と答えているようでは、お客様からマイナスの印象を持たれてしまう可能性を自覚する必要があるかもしれません。

 

 

不動産売買 諸費用計算書:リフォーム費用

 

続いて、「リフォーム費用」についてお答えします。

 

中古物件を取り扱う不動産仲介の営業マンにとって、リフォームは常に付いてまわるものです。

 

 

 

事前に内見する物件の室内コンディションを把握しておきましょう。

時間にゆとりがあって空室の物件であれば、事前に下見をしましょう。

 

もし売主様が居住中の物件であれば、物元会社の担当からヒアリングすることで内装状況を確認しましょう。

 

特に、水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面など)が交換が必要な状態なのか、クリーニングだけで十分なのか、事前にある程度把握しておいて、必要なリフォーム費用を算出しておきます。

 

事前に必要な準備をしておけば、以下のような会話で信頼感を得ることができます。

 

 

見込客

 

リフォームしたらどのくらいになりますか?

 

 

 

営業

 

どこをリフォームしたいとお考えですか?

 

 

 

見込客

 

トイレは他の方が使ってたのはイヤなので変えたいです。

あとはお風呂とかキッチンもきれいなのでハウスクリーニングでいいかなと思います。

せっかくなのでクロスは張り替えたいです。

 

 

 

営業

 

そうすると、トイレはポピュラーなもので便座交換で充分かと思いますので、便座交換で10万円、クロスの張り替えが30万円、ハウスクリーニングが10万円位でざっと50万円位みておけばよろしいかと思いますが、具体的に進める場合にはリフォーム業者さんと現地打合せして見積り出してもらいましょう!

 

 

事前にリフォーム費用を算出しておけば、以上のような会話で見込客の信頼を得ることができます。

 

 

もし、お客様がかなり期待して内見に臨むような状況であれば、リフォーム業者さんにも内見に同行してもらって、その場で概算金額を提示してもらいます

 

 

 

でも、同行してもらえるリフォーム業者さんがいない時はどうすればいいんですか?

 

 

 

その場合には、リフォーム業者さんから

①現地でチェックするポイント

②サイズを計ってくるところ

など、事前に打合せして、見積りを出してもらうための現地チェックを自分で行いましょう。

 

そして、内見した後にすぐに概算のリフォーム費用を提示できるようにすることです。

 

システムキッチン、浴室などは、製品数が多く価格も幅があるので金額提示のしようがないと思うかもしれませんが、「オーソドックス(ポピュラー)な製品であればシステムキッチンの新規交換で〇〇万円位です」と答えられるようにすることが大切です。

 

「引越し費用」や「家具等」は見込客自身が調べることができますが、リフォームについては営業マンが具体的な金額提示をしなければ次には進みません。

 

お客様は金額提示を受けて初めて「もっと安くできないんですか?」とか、「これ位の予算だったらもうちょっと製品グレードを上げたいな」とかなどの意見、感想、本当の予算感を聞くことが出来ます。

 

 

ここで大切なことは、自分の「右腕」となってくれるリフォーム業者の担当さんを事前に作っておくことです。

私は、リフォーム業者さんの営業は女性がいいと思っています。

インテリアコーディネートなどのセンスなどを考えても女性のほうが向いていることが多いからです。

 

何よりも、

・お客様の立場になって考えてくれる営業担当さんであること、

・スピード感を持って動いてくれるリフォーム営業担当さんであること

が重要です。

 

 

また、引渡しから一定期間(売主が個人の場合で大手不動産会社では引渡し後7日日間)内に売主様自身も把握をしていない設備の不具合がもし見つかった場合には、売主様の責任で補修して頂けるのですが、リフォーム工事は物件引渡し後すぐに入ってもらうので、私はリフォーム会社さんにその設備の稼働チェックも同時にお願いするようにしています。

 

まとめ:不動産売買 諸費用計算書を用意しよう。

 

不動産売買 諸費用計算書についてお話ししました。

 

お客様の立場になって考えていけば、購入の判断をするためには諸費用・リフォーム費用が明確に提示されていることがどれだけ重要か分かるはずです。

 

私が最も伝えたいことは「準備」です!

お客様が疑問に思うであろうことを常に想定して、応えられるように準備しておくことです。

 

もし、リフォーム費用の算出、諸費用の算出など、お伝えした内容のことで不明点や、こういうケースの場合はどうしたらいいのか、など疑問等があったら是非ご連絡下さい。

 

日本はこれからますます人口減少に突き進みます。

その中で我々、不動産仲介業者が取り扱う中古不動産の流通・促進がもっともっと重要になるはずです。

その中古不動産の流通・促進においてリフォーム工事は常にセットとなります。

私自身、もっともっと勉強が必要だと思っています。

 

お客様からのリフォームに対する質問・疑問に応えていく最善な方法を、一緒に考えていきましょう!

常に変化、進化、カイゼン。現状維持は退化です!

 

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