本記事はこんな方におすすめです。
・小売店の魅力的な売り場づくりが分からず困っているあなた。
・先輩のように活気あふれる売り場作りのコツを知りたいあなた。
読者(あなた)の悩み
思っている以上に売り場づくりが難しい。
魅力的な売り場づくりが分からない。
大丈夫です!
小売店で働く醍醐味の1つと言えば「売り場づくり」ですよね。しかし、いざ売り場づくりを実践すると想像以上に難しいものです。
ですが、売り場づくりでのコツさえ掴めば、売上を激変させることができます。どれだけ魅力的な商品を並べるかよりも、売り場づくりにこだわることで、商品の購入につなげることができるのです。
そこでこの記事では、大手スーパーの鮮魚コーナーで2年間売り場づくりを実践してきた私が「売り場づくりのコツ」をあますことなく紹介していきます。ちょっとしたコツを掴んだ私は、刺身盛り合わせの売上において、前年比150%を達成(お盆と年末年始)しました。
いきなり全てを実践するのは難しいですが「意識して実践する」ことで、魅力的な売り場づくりができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
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魅力的な売り場づくりのコツ5選
メラビアンの法則とは、人と人とのコミュニケーションにおいて、 ・言語情報が7% ・聴覚情報が38% ・視覚情報が55% のウェイトで影響を与えるという心理学上の法則の1つです。 このように人は、相手のことを視覚情報から55%のことを判断するのです。これは人に限った話ではありません。魅力的な売り場というのは「視覚」で訴求しています。 例えば、商品だけが並んでいる売り場を想像してみてください。あまりにも単調すぎて「ワクワク感」が生まれませんよね? 商品の説明をした絵や図解があれば、それだけで興味が湧きますし、視覚を利用した訴求が必要になります。 そこで有効になるのがPOP(広告)の魅せ方です。もしかすると会社から事前に用意されたPOPがあるかもしれませんが、せっかくなら自分で作ることをおすすめします。 私は決して絵が上手い訳ではないのですが、あえて下手な絵を描くことで、子どもの興味をひきつけました。 ハロウィンの時期に「下手くそなパンプキンとサーモンの絵」を描いて、試食を実施することで、子どもは立ち止まってくれました。バカにする子どももいましたが、個人的には狙い通りです。 お店の方針にもよりますが、店長から許可を取れたら「自分の弱みを強み」に変えてみてください。 まずは「ジャムの法則」について紹介します。 この法則は、スーパーマーケットに買い物に来たお客様にジャムの試食販売を行い、2つのグループを下記のように分けて調査し、その調査結果をもとに発表されたものです。 その結果は以下の通りです。 24種類 6種類 種類が多いと、色あざやかで美しくも感じますが、決して購入につながる訳ではありません。結果的には6種類のジャムを販売した方が、購入につながったのです。 このように人は「選択肢」が多いことを嫌います。適度な品数で選択肢を減らすことが、魅力的な売り場につながると言えそうです。 提案力を考えるには「非計画購買」について知る必要があります。 非計画購買とは、消費者が買物をする際にあらかじめ買おうと予定していなかった商品を購入することを指す。 スーパーマーケットにおける非計画購買率は70~80%になる 引用元:ビジネス + IT 驚くことにスーパーマーケットにおける非計画購買率は70〜80%という、驚きの数値が確認されています。 もしスーパーで商品を訴求する場合は、その日の食卓メニューの提案が重要です。先ほど紹介した「ジャムの法則」にもつながりますが、お客様は選択肢が少ない状態を好みます。ただ商品を並べるのではなく「提案力」で勝負できれば、それだけで魅力が増します。 ユニクロなどの洋服店に行くと必ずマネキンコーデがありますよね?あれはお客様へ提案することで、自分が服を着ているイメージを膨らませるためです。そのことで購入へのハードルが下がります。 ですからスーパーに購入に来たお客様にも「食卓メニューの提案」をしてあげましょう。サンプル食品を作るだけで、大きく売り場の差別化が可能になります。 店舗によってはお客様の求める商品は大きく変わります。例えば、富裕層が多く住んでいる地域であれば、高級感を売りにしても良いでしょう。逆に庶民的な商品を求めるお客様が多ければ、コスパの良い商品を推していく必要があります。 「お客様が求める商品を陳列するなんて当たり前だろう。」と思われるかもしれませんが、私がスーパーに勤務していた時は、意外と出来ていない人が多い印象でした。 かつて、小売業の盟主として一時代を築いたダイエーも例外ではありません。ダイエーの経営が傾いた理由の1つに「お客様の求める商品がない」ことが挙げられます。 「ダイエーに行けば何でも売っている。でも「欲しいものは何も売っていない」と揶揄されたことからも、お客様目線が欠けていたことは間違い無いでしょう。 特に以下の点には注意が必要です。 「自分の売りたい商品を販売していないか」。 私の経験上、自分の売りたい商品を販売する傾向にある人は、店長からも注意を受けていました。オリジナリティを出すことは大切ですが「お客様の求める商品を提供」が最優先です。 もし自分の独断で販売しているなら、足元を見つめ直す必要があるでしょう。 当然ですがいつも同じ商品だとお客様を飽きさせてしまう恐れがあります。お客様がその店舗に飽きてしまえば、次にとる行動は店舗の移動です。 これではリピート率を上げる事ができません。 「土用の丑の日が過ぎたらお客様は鰻を見たくない。次の日は絶対に売り込むな」。これは上司からもらったアドバイスです。 私は土用の丑の翌日も、メイン商品の横に鰻を並べていました。「土用の丑の余韻もあるし、鰻を売り込んでも大丈夫だろう」という安易な考えで、上司から注意されたのです。 これでは「新しい提案」が全くできていません。「脂の乗った鰻の次は、さっぱりした魚を訴求しよう」といった具合に、最低限の工夫は必要です。 もし同じような商品を訴求しているなら、計画を見直してください。 ただし注意も必要です。「これだけは売り場に欠かせない」という商品は把握しておきましょう。例えば、常連のお客様が「鯛のお刺身」を気に入っているのであれば、売り場には必ず並ぶようにしてください。 他にも
1.視覚で訴求する
2.売り込む商品が多すぎない
3.提案をしてあげる
4.お客様が求める商品を販売する
5.飽きさせない工夫をする
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売り場づくりで効果的だった手法6選
- こんにちは陳列
- 声で魅せる
- 試食販売でコミュニケーション
- 売れる商品を探す
- 知り合いに客観的な意見を求める
- 小さな実績をつくる
1.こんにちは陳列
売り場に対して真っ直ぐに商品を置くのではなく、斜めに商品を置くのがポイントです。
このように商品のフェースを斜めにするだけで、臨場感にあふれた売り場につながり、歩いてくるお客様が顔を横に向ける負担も減ります。
どれだけお客様の負担を減らせるかが、魅力的な売り場をつくるうえで重要な要素です。「少し単調な陳列をしているな」と思ったら、「こんにちは陳列」をお試しください。
2.声で魅せる
- 視覚情報 55%
- 聴覚情報 38%
- 言語情報 7%
視覚情報の重要性はお伝えしましたが、それと同じくらいに聴覚情報も重要です。スーパーに行くと販売員の声がテープで流れていることはないでしょうか?
あれは聴覚情報の38%に訴えかけているのです。ですから売り場は視覚だけではなく「聴覚」にも訴えかけてみてください。
私も「カツオの売れ行きが悪いな」と思った時に、音声テープを録音し直しました。
少しドスの効いた声で「カツオ、カツオ、カツオ。こんな暑い時期はサッパリしたお刺身で爽快な気分になりませんか?ポン酢とネギを一緒に混ぜてカツオを食べれば、夏の暑さも吹き飛びます!」。
このように食べているところをイメージしやすいように、声でお客様の感情に訴えかけてみてください。声は魅力的な売り場づくりにおいて、欠かすことができません。
3.試食販売でコミュニケーション
決して商品を購入してもらえなくても、試食を通してお客様に顔を覚えてもらえれば「ファンづくり」につながります。試食の時はお客様とコミュニケーションをとることだけ考えていました。
顔を覚えてもらえれば、次回以降の来店で「今日は何がおすすめ?」といったように、声をかけてもらえます。試食の実践は店長とも相談が必要ですが、積極的に行いましょう。
さらに、試食には「好意の返報性の法則」の効果も期待できます。
好意の返報性とは、恋愛の事例でも触れた、「相手から受けた好意を返したくなる」心理のこと。
引用元:STUDY HACKER
このように相手から受けた恩は、何か返したくなるのが人間心理です。実際に私は試食などを通して仲良くなったお客様に「年末年始の刺身はうちで購入してな!」と頼み込んでいました。信頼関係を築けると営業を行うこともできるのです。
ですから魅力的な売り場づくりは、商品に目を向けるだけではなく、販売員(自分自身)のコミュニケーションスキルを磨くことも重要と言えるでしょう。
4.売れる商品を探す
創業が長い小売店であれば、過去のデータが膨大に蓄積されていると思います。それらのデータをもとに販売商品を決めることは重要ですが、試行錯誤することも必要です。
以下は実際に私が実験した一例です。
- 実験1:炙ったお刺身の売れ行き確認
- 実験2:骨抜き切り身の販売
- 実験3:天然魚と養殖魚のどちらが売れるか調査
これらを実験した理由と成果を紹介していきます。
炙ったお刺身の売れ行き確認
私が働いていた店舗では、炙ったお刺身の販売がほとんどされていませんでした。手間がかかるので料金も高くなりますが、売れるかどうかは別問題です。
結果的には炙ったお刺身は、それほど売れませんでした。ですが、ゴールデンウィークなどの大型連休は、非常に売れ行きが良かったです。
これはあくまで推測なのですが、大型連休はお客様の財布のヒモが緩むと考えます。「大型連休は売れる」ということを認識できるだけでも大きな成果です。
イベントによって販売商品を変更することは、魅力的な売り場づくりにおいて非常に重要なことと言えるでしょう。
骨抜き切り身の販売
「完全に骨抜きだと切り身の売れ行きが良くなるかも?」というような主任との会話から、骨抜き切り身の販売が始まりました。
店舗の近くには小学校があったので「骨抜きの魚なら安心して購入してもらえる」という理由で始めたものです。
こちらも結論からお伝えすると、成果が出た訳ではありません。2ヶ月ほど継続して、販売しましたが、成果が出たとは言えませんでした。
「骨を抜く手間が想像以上にかかる」「お客様はそこまで骨抜きを求めていない」との結論から、骨抜きの販売は中止しました。
私の経験上、試行錯誤しても失敗することの方が多いです。ですが、過去のデータをもとにした売り場づくりだけでは、新しい発見が生まれません。小さくても良いので、新しいことに挑戦してください。
天然魚と養殖魚のどちらが売れるか調査
この調査を開始したのは、刺身の売れ行きが悪化していたからです。今までの販売割合は 1(天然):2(養殖)でした。そこで、思い切って販売割合を2(天然):1(養殖)に変えてみました。
すると、天然のお刺身は驚くほどに購入されたのです。値下げ率の高さにも悩んでいたのですが、それらも一気に改善しました。
基本的には天然よりも養殖のお刺身の方が高価です。お客様はコスパの良い商品を求めていたのかもしれません。
この実験をしたのは、私が店舗異動で赴任した矢先のことです。主任も「刺身が売れない」と嘆いていたので、実践することになりました。
私は赴任したばかりだったので「販売割合を変更する」という客観的視点を持てました。異動した矢先でないと、このような視点は持てなかったでしょう。
これらのことから、試行錯誤する癖をつけることは本当に大切です。お客様が求めている商品はデータだけでは見つかりません。試行錯誤することでお客様と「会話」してください。
5.知り合いに客観的な意見を求める
いきなりですが、あなたはゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズをご存知でしょうか?
タイガー・ウッズは世界一のゴルフプレーヤーでありながら必ずコーチをつけるのです。これは世界一のプレーヤーといえども、自分のスイングを客観的に見るのがいかに難しいかを物語っています。
ですから、自分の売り場を客観視するには他人の意見が必要です。私は同期仲間や、常連のお客様から意見を求めていました。
例えば、他の売り場の人同士でアドバイスをしあうのも有効な手段です。専門的な意見を取り入れすぎると「マニアックすぎる売り場」になる恐れもあります。
専門的な意見と、専門外の意見をバランスよく取り入れる事が、魅力的な売り場づくりにつながると言えるでしょう。
6.小さな実績をつくる
冒頭で「刺身盛り合わせの売上において、前年比150%を達成(お盆と年末年始)した」と紹介しました。
前年比150%という数字を達成するためには、店長から販売計画を許可してもらう必要があります。「150%の計画をつくったので承認してください。」だけでは即却下されて終わるでしょう。
そのような無謀とも思える計画を承認してもらうには「小さな実績をつくる」ことが大切になります。先ほど紹介した「天然魚と養殖魚の売れ行き調査」も一例の1つです。
天然魚の方が売れるという発見をしたことで、小さな実績ができます。小さな実績を重ねると、店長の信頼につながるものです。
さらに150%の計画をつくった際には、売れなかった時のことも考えていました。
近隣店舗の主任は在庫を持つことを嫌うことで有名で、大型連休になると「在庫ない?」と相談されることもありました。
そのため、在庫が残った時は「近隣店舗に引き受けてもらう」というリスク回避を考えたのです。
結果的に店長からも計画を承認していただき、大型連休の売り場は例年以上に賑わいました。それらが前年比150%という結果につながったのです。
「派手に売り場をつくりたい」と思っても、結局は上司からの承認が必要です。まずは小さな実績を重ねることで、上司からの信頼を勝ち取りましょう。
売り場づくりにおける失敗談3選
- 朝から値引きの商品が並んでいる
- 数字ばかりに目がいきがち
- 商品を前に出せていない
1.朝から値引きの商品が並んでいる
以前、上司が変わった時に「朝から値引き商品をならべているの?」と指摘されたことがありました。
上司の意見としては「朝は新鮮さを演出しないといけないのに、値引き商品があったら新鮮さが損なわれる」とのことでした。
私の考えは「25%オフの商品が朝から売れると、夕方以降に半額にする必要がない」というものでした。ですが、販売員は「売り場づくりのプロ」という自覚を持つ必要があります。
他にも「朝から来店するお客様は本当の常連。値引き商品よりも品質にこだわれ。」と言われました。
先ほど、客観的な意見が大切と述べましたが、まさにこのような事です。新しい上司の意見を聞いていなければ、今後も朝から値引き商品を販売し続けるところでした。
これは私の考えになりますが、値引き商品を求めているお客様は「値引き商品を購入するため」に来店します。来店時間によってお客様の層も変わります。
ですから魅力的な売り場を維持するには、時間帯に合わせた売り場への修正が必要でしょう。
2.数字ばかりに目がいきがち
販売員は会社が課したノルマと向き合う必要があります。そのため、どうしても売上の数字に目がいきがちです。
私の店舗でも1時間ごとに売上データが更新されるので、多くの販売員が気にかけていました。しかし、売上の成果はその日の積み重ねで反映されるものです。
データを気にするくらいなら売り場に出て、お客様とコミュニケーションを取る方が有効だと考えていました。
実際にエリア部長とお話しした際に、似たようなことを指摘されていました。
「売上記録を見るのは、帰る前の1回で良い。ベテランになればなるほど売り場を軽視する人が多くなる」。
実際に私の上司も、エリア部長からその事を指摘されていました。
私は数字系のことよりも、売り場でお客様とコミュニケーションを取る事が楽しかったので、売り場を重視することができたのだと思います。
一度考えてみてください。
- 売上の数字を見て一喜一憂する
- 売り場でお客様とコミュニケーションを取る
どちらの方が魅力的な売り場づくりに直結すると思いますか?どう考えても「売り場でお客様とコミュニケーションを取る」でしょう。
魅力的な売り場づくりに直結するということは、売上にも直結します。数字に目が行きがちだと思ったら、売り場重視を意識してみましょう
3.商品を補充できていない
発注作業や業務計画を考えていると、売り場を放置してしまう癖がありました。特に休日に放置すると、ごっそりと商品が売れている時があります。
あなたは「機会ロス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?簡単に説明すると「商品があれば売れていたのに、商品が欠品したために販売のチャンスを逃す」ことです。
商品が一気に売れると、売り場に凸凹ができてお客様に迷惑がかかります。
よく店長から電話で「商品ないぞー」と指摘されました。ベテラン販売員であれば余裕を持って対応できるかもしれませんが、若手は意外と余裕がないものです。ですが、お客様はそんな事情を知りません。
魅力的な売り場を保つためには、常に気を張りましょう。
小売店 トップ販売員の売り場づくりのコツ:まとめ
データを活用しながら売れ筋商品を陳列することも重要ですが、魅力的な売り場は試行錯誤しながらつくり上げていくしかありません。 私も先輩の売り場づくりを参考にしながらも、オリジナリティを出すことを意識していました。先ほど紹介した試食販売のコミュニケーションは、まさにその一例です。 試行錯誤をしていると売り場づくりも楽しくなってきます。自分のオリジナリティを見つけて、魅力的な売り場をつくってください。 最新の購買心理や、営業の『型』をご存知なく、たった一人であなたは苦しんでないですか?「1日3分で売れる!」ミリオンセールスアカデミー®︎無料メルマガで、最先端の営業スキルを体得して売上アップしてくださいね↓ 楽しく、カンタン、即座に成果を出したいあなたは「台本営業®セミナー」で、本物の「売れる営業台本(トークスクリプト)を作成してみてはいかがでしょうか? Twitterでもご購読できます