クレーム対応 基礎:これだけはおさえておけ!実践で使える営業のクレーム対応10のコツ

営業でクレームが発生すると、誰でも気が重くなり敬遠したくなるものなので、理由をつけて、後回しにしがちになります。

 

 

 

加賀田裕之
加賀田裕之
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営業教育日本一 ミリオンセールスアカデミー®主宰

台本営業®コンサルタント加賀田裕之です。

 

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そうするとお客様は「放置された」と考え、お客様の自尊心を傷つけることになります。これが、二次的なクレームとなり、さらに強い怒りを買うことになります。

 

ここまで来ると、解決が難しくなるので、何としても防がなければなりません。

 

 

クレーム対応実践編については、以下の記事を参考にしてください↓

 

営業 クレーム対応方法:悪質クレーマー撃退法/不退去罪•脅迫罪•強要罪•信用毀損および業務妨害罪•威力業務妨害罪•恐喝罪

 

営業 クレーム対応方法:悪質クレーマー撃退法/不退去罪•脅迫罪•強要罪•信用毀損および業務妨害罪•威力業務妨害罪•恐喝罪

 

1、クレーム対応の基本10のコツ

クレームを受けると、営業マンもその周囲の人々も気持ちが暗くなってしまうものです。その結果、対応を誤り、傷口を広げてしまうことになりかねません。

そこで、クレーム処理についての基本的な考え方や姿勢をについて紹介します。

 

1-1、スピードが命、早く訪問する!

私たち人間は連絡がないと、悪い方に考えるようになり、対応が遅いと、お客様は「自分の申し出を無視した」と感じ怒り出します。放置するほどお客様の怒りは強くなっていきます(クレームの心理学「自尊心(プライド)」「怒り」ご参照)。

 

ですから、とにかく迅速に訪問することが第一です。外出している場合、「今、〇〇にいますから、到着は、〇時分頃になります」と連絡しておきます。

 

1-2、素早く対応すること

クレーム処理は気が重くて敬遠したくなるので、理由をつけて後回しにしたくなります。対応が遅れることで、お客様の自尊心を傷つけることになり、更に強い怒りを買うことになってしまいますので要注意です。


クレーム処理では、お客様の主張を本社の担当部門に報告することや、会社としての見解をお客様に伝える作業が発生する場合があります。そのプロセスで時間がかかるケースがあり、この時間が問題になることがあります。

 

会社として、必要な手続きであっても、お客様としては会社の手続きなど関係ないのです。ですから、「自分を放置して、何を言っているのだ」と怒りを増してしまいます。


まず、訪問する、それができなかったら、電話をして、進捗状況を説明する。訪問はしつこいくらいに行います。毎日訪問するくらいの覚悟が必要です。自社の都合でなく、顧客の気持ちになることがクレーム処理の基本です。

 

1-3、お客様の立場から心から詫びる

レームが怒りから起こったことであり、怒りを鎮めるには、詫びることが必須であり、クレーム処理はお客様の立場に立って心から詫びることから始まります。

 

問題が会社側にはなく、お客様側にある場合、謝ると会社側の非を認めることになります。ですから、お客様に不快な思いをさせてしまったことを詫びればいいのです。

 

 

1-4、傾聴する

クレーム処理をするときは、とにかく傾聴してください。お客様は、堰を切ったように苦情を言ってきますが、聞き役に徹してください。何百人というクレームを処理してきましたが、1時間も話し続けられる人は皆無でした。「1時間の我慢」と考えて我慢してください。


営業マンは、お客様の口撃に、つい言い訳をしたくなるものですが、じっくり、お客様の声に耳を傾けてください。これを傾聴と言いますが、お客様は、苦情を述べることで、お腹の中の怒りが吐き出され、少しずつ気持ちが浄化され、口撃は弱くなっていきます。これをカタルシス(心の浄化作用)と言います。


また、お客様は、自分の主張を繰り返すことで「自分の主張が正しいのだろうか」と再検討することで、お客様は自分の考えを整理して、理論的な思考を行うようになります。

 

1-5、説得しない

苦情処理は説得ではなく、お客様が納得することです。

クレーム処理というと、理論で顧客を説得することだと考え勝ちですが、理論的にお客様を押さえ込んでも相手の怒りを収まるどころかますます怒りを増幅されることになります(クレームの心理学「自尊心(プライド)」「怒り」ご参照)。


クレームを申し出ているお客様は、反論に聞く耳を持ちません。説得しようとするほど更に頑なになってしまいます。また、お客様の発言中に口を挟むと更に感情的になります。


口撃が弱くなってきて、説明することで、納得いただける内容であれば説明します。自分だけでは解決できない内容であれば「関係部門と相談の上、回答させていただきます」とその場を辞します。

 

1-6、連絡を密に取る

関連部門からの報告が遅れることがあります。そのような時は、関連部門に進捗を聞きます。そして、お客様に電話を入れて途中経過を報告します。お客様は朝から報告を待っています。ここで、連絡がないと、また怒り出します。

 

 

1-7、時間をおかず、継続的に訪問を繰り返すこと

ある方の経験の話ですが、一週間毎日訪問した案件があったそうです。訪問するたびに申し出内容が変化していきましたが、その都度説得することはなく、持ち帰りました。この結果、「もうくる必要はない。あなたの熱意はわかった」という回答を頂きました。このクレーム処理では、集中的に訪問することも効果がありました。

「あなたが重要ですよ。だから、毎日来るのです」ということでクレームに対する熱意を理解してもらうことができたからです。

 

1-8、報連相

帰社して、上司や関連部門に報連相を行い、指示を受けます。

 

1-9、上司の同行

それでも納得しないお客様には、上司に同行を仰ぎます。上司を引きずり出したということで納得するお客様もいます。トラブルを起こした営業マンの上司から謝罪してもらうと納得する人も少なくありません。

 

1-10、再発防止策の策定

クレームがあると、その場の処理に追われますが、ひと段落するとホッとして再防止策に手をつけない場合があります。根本的に改善していないので、同じクレームが発生するものです。したがって、再発防止策の策定を怠ってはいけません。

 

 

2、クレーム未然防止システムを構築してますか?

クレーム発生原因をおさえることで、クレーム未然防止システムを構築することが可能となります。クレーム発生原因に対応する具体策をあげてみましょう。

 

2−1、 契約条件の確認・チェック

契約書やお客様との会議録から、契約条件を書き上げチェックリスト化して確実に条件通りに実行されているのかを確認しましょう。

 

2−2、品質管理の徹底と社内コミュニケーションの強化

品質管理は営業マンの仕事ではないと思いますが、社内コミュニケーションを強化して、製造部門や出荷・納品部門に顧客の反応をフィードバックする責務があります。

 

2−3、営業マン教育

クレームは営業マン本人や会社にダメージを与えます。ですから、クレームの未然防止の実施の必要性やクレームが発生しない営業活動について教育を行っていかなければなりません。

 

2−4、顧客との信頼関係強化

同じ対応をしても、クレームになる場合とならない場合があります。それが、信頼関係の強弱の違いにある場合が少なくありません。このマニュアルでもくり返し述べてきたように、顧客とのコミュニケーションを強化していく必要があります。

 

3、根本原因!営業でのクレーム発生原因を探求せよ!

クレーム処理のスキルを上げるよりも、クレームが発生しないシステムを構築することが重要です。そのために、クレームの発生原因について紹介します。

 

3−1、取引関係

取引条件と異なった商品を誤って納品してしまった、納品個数を誤ってしまった、納期が遅れてしまった、などは当然のことながらクレームになります。

 

3−2、商品関係

販売した食品に異物が混入していた、取扱説明書通りに操作したが作動しない、などの欠陥商品や品質上の問題です。

 

3−3、担当営業マン関係

顧客に対する対応が問題になって、クレームになった場合です。時間や約束を守らない、要望事項への対応が遅い・しない、知識不十分などが理由です。

 

3−4、顧客関係

顧客の勘違いなど顧客サイドに問題があって発生するクレームです。顧客が取扱説明書の通りに使用しない、スケジュールを失念していた場合などです。

 

3−5、二次的クレーム

クレームが起こって、対応の悪さにより顧客が感情的になり、更にクレームが複雑化して、クレーム処理が困難になります。

 

 

4、ここが重要、クレームの心理学

クレーム処理は、相手が怒りを解き納得することです。ですから、怒りとは何か、何故怒るのかを知り、相手の心理がどうなっているのかは非常に重要です。

 

 

4-1、クレーム申し出人の心理:怒り

クレームには怒りという感情がつきものです。そこで、怒りという感情を見て行きましょう。

 

大脳の側頭葉内側部に位置する扁桃体は、他者の恐怖、悲しみ、幸福などの表情を見ると活性化することが明らかになっています。しかも自動的・速やかに活性化するのです。つまり、怒りは理論的な思考を行わず、自動的な反応だといえます。人間が思考だけで行動する存在であれば、感情などいらないはずです。

 

では、なぜ感情が存在するのでしょうか。そこで感情の働きについて見ていきましょう。

 

現代人は、数万年前の原始人の心をいまだに引き継いでいるといいます。

感情は人と人の間で意味を伝達する役目を果たします。例えば、数万年前のある日、私たちの祖先のテリトリーに見知らぬ人間が入ってきました。そして、自分たちの獲物を狙っているようです。この様なときには私たちは怒ります。

 

怒りは、この見知らぬ人間に対して「俺たちのテリトリーだぞ。出て行け」というメッセージを伝えます。

怒りは、自分の権利や自分の価値観などが侵害されようとしたときに自動的に速やかに起こる反応です。

この時の感情がクレームの時の感情とよく似ています。自分のテリトリーに入ってきて、自分の獲物(資産)を狙って、損害を与えたということですから、感情的に許せないのです。

 

ですから、理論的に説得されても聞く耳を持たないのです。このように、クレームが感情ですので、クレーム処理をする場合には、感情面での対応が必要となるといえます。

 

4-2、苦情申し出人の心理:自尊心(プライド)

自尊心を満足させると人は喜び、自尊心(プライド)を傷つけると人は怒り出します。クレームは自尊心を傷つけることから悪化します。

 

アブラハム・マズローは、人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「親和の欲求」「自我の欲求」「自己実現の欲求」の五段階に分け、人間は下位の欲求が満たされると、その上位の欲求の充足を目指すという欲求5段階説を提唱しました。

 

生理的欲求は人間が生きる上で必要な衣食などに対する欲求で、「安全の欲求」安全に生きるための欲求です。「親和の欲求」とは他人と関わりたい、ほかの人のようにしたいという欲求、「自我の欲求」とは、自分が価値ある存在として認められ尊敬されたいという欲求、「自己実現の欲求」とは、自分の能力や可能性を発揮して創造的活動や自己の成長を図りたいという欲求のことです。

 

現代日本人はこの自我の欲求段階にある人が多いようです。

すなわち自尊心に対する欲求レベルであり、苦情処理や商談など様々な交渉ごとの場合には、この自尊心に注意する必要があります。

 

取引関係、商品関係、営業マン関係など、どんなに小さなクレームでも、お客様にとっては、「軽視された」という被害者意識が働くものです。「自我の欲求=プライド」が踏みにじられたと考えるのです。

 

 

4-3、クレームにおけるペーシング・共感の利用法

クレームにおける「怒り」は「感情」であり、この感情にペーシング(「似ているほど好感度がアップする 態度の類似性」ご参照)することを考えましょう。
論理で解決しようとすると、気持を無視された状態になり、お客様は余計に腹を立てることとなります。営業マンの多くは、お客様の怒りの気持ちや感情にペーシングするのを忘れ、むしろ冷静に穏やかに話すことによって、相手をなだめようとします。しかし、これは明らかに誤りです。

 

お客様は会社や営業マンの落ち度を主張して、さらに声を張り上げ、ますます怒りを増幅させることとなります。


人間は、共感されることで、同じ感情を共有していると感じます。ですから、怒られたら、お客様の怒りにペーシングし、慌てて声が大きくなるくらいがよいでしょう。決して、お客様が苦情を言っている時に、言葉の腰を折ってはいけません。発言の途中で口を挟むとお客様のテンションはさらに上がってしまいます。

 

クレームを言ってくるお客様の状態は、反論に対して敏感です。説得を行うなら、より頑なになってしまうでしょう。理論的に相手を追い詰めて説得しようということではなく、相手の言い分をよく聴くという態度が功を奏するものです。

 

心理カウンセリングの方法として、「傾聴」というものがあります。これは、相手の言い分に対して共感をもって受容してお客様の話をよく聞くというものです。こうすることによって、簡単に言えば、相手の心のしこりを解きほぐし心の病を改善して行こうというものです。顧客は怒りを営業マンにぶつけます。

 

このことで、心に溜まった怒りの感情が吐き出され、こころが浄化されるのです。多くの場合、「傾聴」相手の話をじっくり聴くことで、相手の怒りが徐々に収めることができるのです。

 

 

 

 

 

 

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