
ホットボタンとは、お客さんが商品を購入する「真の動機」「第一の理由」であり、購入においていちばん大切にしている「価値観」のことです。
押すと一気に「欲しい!」のスイッチが入るボタン、とイメージしてください。
営業では、ホットボタンを押さえれば成約し、外せば失注すると言われるほど、成約を左右します。
本記事はこんな方におすすめです。
・ヒアリングはしているのに、なぜか提案が響かないあなた。
・お客さんの「本当の購買動機(ホットボタン)」を見抜きたいあなた。
・「四次元ヒアリング®︎」で、お客さんの価値観を引き出したいあなた。
あなたは、こんな悩みを抱えていないでしょうか?
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それは、あなたのヒアリングが足りないのではありません。
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この記事では、
1)ホットボタンとは?
2)ホットボタンを外すと、どうなるか?
3)ホットボタンを押さえると、どうなるか?
4)ホットボタンは「聞き方」でしか見つからない:四次元ヒアリング®︎
5)ダメ営業・普通の営業・トップ営業の違い(不動産営業の実例)
6)部下のホットボタンも同じ
7)まとめ
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目次
1、ホットボタンとは?お客さんが買う「真の動機」

ホットボタンとは、お客さんが商品を購入する「真の動機」「第一の理由」であり、購入において「いちばん大切にしている価値観」のことです。
「ホットボタン」は、マーケティング・セールスの現場で使われている言葉です。
押すと一気にスイッチが入る「ボタン」をイメージしてください。
たとえば、同じ「家が欲しい」お客さんでも、
・Aさんのホットボタンは「子どもをのびのび育てたい」
・Bさんのホットボタンは「親に安心してほしい」
・Cさんのホットボタンは「人と同じはイヤ。自分らしくいたい」
というように、表面の条件は同じでも、スイッチの場所はまったく違うんです。
あなたが上司なら部下の、営業ならお客さんのホットボタンを押さえる必要があります。
人は誰しも、「ホットボタン」を持っています。営業の成約率を高めたければ、押さえましょう!
お客さん自身も、自分のホットボタンに気づいていないことがほとんどなんです。
だから、聞き方(ヒアリング)の「型」が必要になります。まずは、ホットボタンの怖さと力を、実例で見ていきましょう。
ホットボタンは、お客さんの「価値観」そのものです。
価値観の読み解き方は、こちらもあわせてご覧ください↓
【価値観営業®︎】『具体』から『抽象』へ ─ 相手の価値観を読み解く方法
2、ホットボタンを外すと、どうなるか?
■事例1:ビッグモーター前社長の「ゴルフボール」発言
2023年7月、中古車買取販売のビッグモーターの記者会見。保険金の水増し請求について、前社長はこう発言しました。
「ゴルフボールを靴下に入れて振り回して、損傷範囲を広げて水増し請求する。本当に許せない!ゴルフボールで傷をつける。ゴルフを愛する人に対する冒涜です!」
このニュースを見た多くの人は、こう思ったはずです。
「なんでやねん!ビッグモーターに車を預けてくれたお客さんの信頼を裏切ったことへの謝罪が先だろ!」
聞き手のホットボタンは「信頼を裏切られたこと」でした。
そこを外して、自分の大切なもの(ゴルフ)の話をしてしまった。
これが、ホットボタンを外して残念な結果になってしまった、わかりやすい事例です。
■事例2:鬼滅の刃「無限列車編」
2020年12月、劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」は興行収入280億円を超え、「千と千尋の神隠し」にあと20億円と迫る社会現象になりました。
「なぜ、これほどヒットしているのか?」
ビジネス的な観点から興味があって観に行ったところ、めちゃくちゃ面白く、そして、見事に泣いてしまいました。
ホットボタンがわかるのは、敵の鬼(上弦の参)が、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)に「お前も鬼になれ!」と迫るシーンです。



出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(集英社)/劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
鬼は、「鬼になれば、強くなれる。老いることも、死ぬこともない」と、自分にとっての価値で誘いました。
でも、煉獄杏寿郎が大切にしていたのは、まったく別の価値観でした。
だから、どれだけ魅力的な条件を出しても、心は1ミリも動かなかったのです。
ちなみに、もしあなたが鬼(上弦の参)だったら、煉獄杏寿郎のホットボタン(大切にしている価値観)をどのように聞き、どのように提案しますか?少し、考えてみてくださいね。
■事例3:SMAP解散騒動
「は? なに? 営業と関係あるの?」と思われたかもしれません。
でも、これほどホットボタンがわかりやすい事例はないんです。

2016年1月、国民的アイドルSMAPの解散騒動が起きました。
このケースでカギだったのは、キーマンである中居正広さんの「大切にしている価値観(ホットボタン)」でした。
報道によると、中居さんが「退社」の気持ちを固めたのは、2015年1月の「週刊文春」のインタビューでした。
事務所のメリー副社長が「SMAPは踊れないじゃないですか」と語ったのです。
最もショックを受けていたのが、中居さんだった。人一倍ダンスにプライドを持って取り組み、実力は事務所の中でも随一。それだけに、評価の低さが耐えられなかったようです。
「歌が下手と思われるのは構わない。でも、ダンスにはプライドがある。そこをバカにされるのは、絶対に許さない」
そんな心境だったのではないでしょうか。
ダンスへのプライドこそが、中居さんのホットボタンだったのです。
SMAP解散危機のきっかけは、上司が中居さんのホットボタン=ダンスへのプライドを把握せず、バカにしてしまったことだった可能性があるのです。
このように従業員・部下の「ホットボタン」を押さえていないといきなり、ある日突然、売れる営業やトップセールスから、「退社させてください」と裏切られる羽目になります。
■事例4:曙さんと相原勇さんの破局
1997年、タレントの相原勇さんと、当時横綱だった曙さんの交際破局スキャンダルは、世間をびっくりさせました。
相原勇さんは、曙さんから「別れよう」と言われたことがなく、一方的に交際を破棄されたと、さまざまなテレビ番組で恨みを語っていました。
20年たって、あるテレビ番組で、ふたりが直接、当時の気持ちをぶつけ合う機会があったのです。
この騒動をケースに、コミュニケーションで押さえなければならない「キモ」を考えてみましょう。
■相原勇さん
「はっきり、直接『別れよう』と(曙さんから)言われたことがない」

■曙さん
「言っていいの?」

(中略)
「なんで俺が相撲を取れないとき、結婚ばかり迫ってきて…。なんで励ましてくれなかったの?『結婚は置いておいて、がんばりましょう!』と、なんで言えなかったの?
そこで、気持ちが切れた」

当時、曙さんは負傷が続いて絶不調。
引退説が流れるほどの危機でした。

そんなとき、相原勇さんは、曙さんのホットボタンである「相撲に勝ちたい!」を理解せず、結婚を派手にアピールしていました。
さらに、相原さんは出演していた番組をすべて降板して、結婚に備えたのです。
これが、曙さんの相原さんに対する気持ちを切れさせてしまいました。

営業マンも、お客さんのことを考えずに「私が、私が…」「この商品の特徴は…」と一方的に説明して、お客さんの気持ちを切れさせてしまうことが、本当に多いんです。
■事例5:映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
ちょっと古い映画ですが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)は、ふだんは温厚です。
でも、「チキン!(臆病者!)」と言われると、ブチ切れてしまいます。
出典:映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年、ユニバーサル・ピクチャーズ)
「臆病者と思われたくない」。
これがマーティのホットボタンです。
ホットボタンは、押し方しだいで、大きなプラスにも、大きなマイナスにもなるんです。
3、ホットボタンを押さえると、どうなるか?
■事例1:高知東生さんと「100円ライター」
芸能界に精通している友人と、高知東生(たかち のぼる)さんの話になったことがあります。
高知東生さんは、女優の高島礼子さんと結婚されるなど、コミュニケーション力が非常に高い方でした。

あまり知られていませんが、高知東生さんは銀座No.1ホストにのし上がって、チャンスをつかんでいたんです。
まだ新人ホストだったころ、ある女性がお客さんとして来ました。(失礼な言い方ですが)スタイルも良くないいわゆるブサイクな女性がお客様としてきたんです。
その女性がタバコを吸おうとしたとき、高知さんはライターを持っていませんでした。
それで、その女性が、100円ライターを高知さんにあげたそうです。
1週間ほどして、その女性がふたたびお店に来て、高知さんを指名しました。
すると高知さんは、その100円ライターを、大切に持っていたんです。
その女性は、とても感動して、なんと高級車のジャガーをプレゼントしたのです。

じつは、その女性は資産家のお嬢さんでした。
近づいてくる人の多くはお金目当てで、彼女は人間不信、男性不信になっていました。
ところが、彼女の素性も知らない新人ホストが、100円ライターを大切に持っていた。
100円ライター自体には、価値はありません。
だからこそ、「『私に会いたい』という気持ちは、ホンモノだった」と、彼女は感激したのです。
「新人ホストが、一瞬でジャガーをプレゼントされた!」
これが伝説になって、高知さんは銀座のホストとしてのし上がっていきました。
まさに、ホットボタンを押さえた例です。
高島礼子さんが惚れてしまうような、ホットボタンを押さえる力があったんですね!
通常は、出世すると、様々な人間から恨まれ、足を引っ張られるのが通常ですが、異性に好かれるのは当たり前、同性にも、仕事にも好かれる為に「ホットボタン」をおさえましょう!
※その後、高知東生さんは2016年に薬物事件で有罪判決を受けています。ここでは、コミュニケーションの事例としてのみ取り上げています。
■事例2:私(加賀田)が、心をつかまれた部下
■ホットボタンを押さえた状態とは?
「士は己を知る者のために死す(史記)」という言葉があります。
誰も理解してくれなかった自分の本質を、理解してくれる人がいた。そうしたら、人は利害も関係なく、その人のために命をかけて働く。自らの命も捨てて「死に狂い」する。いわゆる「葉隠(はがくれ)」の世界線です。

ホットボタンを押さえるとは、「この人は、私をわかってくれている」と感じてもらうことなんです。
商談でお客さんのホットボタン(真の購買動機)を押さえれば、契約に至ります。押さえられなければ、失注するだけです。
やくざの組長も「自分の為に、命も投げ出して働いてくれる部下が2人いれば組はつぶれない」と言います。
組織に所属している場合は、どうしても、組織構築が課題になります。私、加賀田も、コテコテですが、週に一回部下を連れて、飲みに行っていました(部下接待)。
しかし、どんなに飲んでも遊びに行っても一番、大切なことは、「ホットボタン」を押さえることだったんです。
4、ホットボタンは「聞き方」でしか見つからない:四次元ヒアリング®︎
四次元ヒアリング®︎とは、「未来」→「現在」→「過去」→「原体験」の順に時間をさかのぼり、お客さんの価値観(ホットボタン)を引き出すトップ営業の聞き方です。
※四次元ヒアリング®︎の図↓

■どの業種でも使える!四次元ヒアリング®︎の質問の型
①未来(理想)「〇〇が実現したら、どんな毎日になっていそうですか?」
②現在(不満)「いま、いちばんモヤモヤしているのは、どこですか?」
③過去(きっかけ)「そう思うようになったきっかけって、どんなことがあったんですか?」
④原体験(価値観の源)「いちばん最初にそう感じたのは、いつ頃でした?」
⑤ホットボタンの確認「だから、〇〇さんにとっていちばん大切なのは、××なんですね」
ポイントは、⑤の「ホットボタンの確認」です。
お客さん自身も気づいていなかった価値観を、営業マンが言葉にして返してあげる。
すると、お客さんは「そうそう、そうなんです!」と、「この人は、私をわかってくれている」と感じてくれます。
これが、ホットボタンを押さえた瞬間です。
売ろうとした瞬間、質問は尋問になり、お客さんは心を閉ざします。
目の前のお客さんに、こころから興味を持つ。それだけで大丈夫です。
いきなり深い質問をすると、お客さんは身構えます。
「お話しできる範囲でかまいませんので」という前置きや、深い話に入る前の雑談・ラポール(信頼関係)づくりについては、こちらで体得してください↓
【傾聴力】トップ営業のヒアリング「8つのコツ」を身につけよう!
四次元ヒアリング®︎の全体像・基本の考え方は、こちらの記事でくわしく解説しています↓
5、ダメ営業・普通の営業・トップ営業の違い(不動産営業の実例)
では、同じ型を不動産営業の商談にあてはめてみましょう。
お客さんは「3LDKで、駅から徒歩10分以内」という条件で物件を探している40代のご夫婦です。
違いを一言でいうと、ダメ営業は「条件」を聞き、普通の営業は「理由」を聞き、トップ営業は「価値観」を聞いているんです。
■トップ営業のトーク例
お客さんが最初に言っていたのは、「3LDK」「駅徒歩10分」という条件でした。
でも、ホットボタンは「家族がそろって食卓を囲める毎日」だったのです。
ここまでわかれば、提案はまったく変わります。
「駅からの帰り道が短く、夕飯に間に合う」「リビングとダイニングが広く、家族が自然と集まる間取り」。
条件ではなく、価値観を満たす提案ができるんです。
これが、価値観営業®︎です。
不動産営業で四次元ヒアリング®︎を使う、もっとくわしいトーク例は、こちらで体得してください↓
ホットボタンを見つけたあと、価値観を満たす提案につなげる方法は、こちらで解説しています↓
成約率80%!トップセールスの「価値観営業®︎」メソッドとは?
6、部下のホットボタンも同じ
あなたが社長や上司なら、部下のホットボタンも押さえる必要があります。
組織をひっぱるうえで、いちばん重要なのは、従業員・部下のホットボタンを押さえることです。
ホットボタンを押さえていないと、ある日突然、トップ営業から「退社させてください」と言われることになりかねません。
SMAPの騒動は、まさにその例でした。
組織に所属していると、どうしても「組織構築」が課題になります。
やくざの組長も、「自分のために命も投げ出して働いてくれる部下が2人いれば、組はつぶれない」と言うそうです。
私も、コテコテですが、部下を連れてよく飲みに行っていました(笑)
でも、どんなに飲んでも、遊びに行っても、いちばん大切なのは、その部下のホットボタンを押さえることです。
部下にも、四次元ヒアリング®︎の型はそのまま使えます。
■ホットボタンに気づける人になる練習法
では、どうすれば相手のホットボタンに気づけるようになるのか?
答えは、あなた自身が、
・誰から
・どんなときに
・何を言われると
ホットボタンのスイッチが入るのかを、日常から把握することです。
唯一の原理原則は、心理だからです。
自分が日常でどう感じているのかを、しっかり把握する習慣をつけてください。
自分のホットボタンがわかる人ほど、相手のホットボタンにも気づけるようになります。
「ホットボタン」、日常で試してみてくださいね。
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7、まとめ:ホットボタンは、条件の奥の「価値観」にある
今回は、ホットボタンと、それを見抜く四次元ヒアリング®︎についてお伝えしました。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。
- ホットボタンとは、お客さんが買う「真の動機」「大切にしている価値観」 押さえれば成約、外せば失注します。
- お客さん自身も、ホットボタンに気づいていない だから、聞き方の「型」が必要です。
- 四次元ヒアリング®︎で掘る 未来→現在→過去→原体験の順に時間をさかのぼる。
- 最後に言葉にして返す 「だから〇〇さんにとっていちばん大切なのは、××なんですね」。
- 条件ではなく、価値観を満たす提案をする これが価値観営業®︎です。
むずかしく考える必要はありません。
次の商談で、お客さんが条件を言ったら、ひと言だけ足してみてください。
「そう思うようになったきっかけって、何かあったんですか?」。
それだけで、お客さんの本音がこぼれ始めます。
あなたが、お客さんのホットボタンにそっと寄り添えるトップ営業になれるよう、心から応援しています。
いっしょにがんばりましょう!
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