営業研修 基本スキル・営業のビジネスマナー  2/9

訪問前の準備

 

人間の脳は、現実に起こったこととイメージで思い描いたことの違いを理解できません。

つまり、将来起こるかも知れない問題について考えることで、体験しなくても実際に体験したかのようにリハーサルができるのです。

 

事前準備には、いわゆるイメージ・トレーニングの効果があります。

 

 

目次

1 訪問は段取り八分で決まる

 

訪問の成功は「段取り八分」です。

お客様を訪問して、スムーズに商談を進めたいならば、訪問前の準備をする必要があります。

 

 

2 訪問前の準備事項

  1. お客様に関する情報収集

最低、お客様の会社のホームページにある情報は頭の中に入れておきましょう。

 

特に、ライバル社の情報や競合状況を知っておくことは、お客様と共感する上で重要な情報になります。

 

①      経営:経営方針・戦略、事業内容、規模、業績など

②      営業:主要商品、サービス

③      組織:本・支店の所在地

④      取引:主要取引先、業績の推移

⑤      業界動向:お客様の業界情報、競合状況

 

 

2-1 訪問の目的・手段の設定

訪問の目的を明確にします。そのために、頭の中でリハーサルします。

 

①      商談をどこまで持っていくのか

②      どのように話を展開するのか

③      聞き出すこと、質問は何か

 

 

2-2 営業ツールの準備

①      営業日報やメモにより、前回の商談状況のチェック

②      商談の進捗により、カタログ、提案書、見積書などを用意する

③      前回、お客様からの質問に回答する資料

④      名刺:先方の名刺と自分の名刺

 

 

  1. 2-3 アポイントメント

アポイントメントの時間、訪問経路確認

 

 

  1. 2-4 身だしなみチェック

  2. リハーサル 訪問した場合のことを想定してリハーサル(イメージトレーニング)をしてみましょう。思わぬことが浮かび上がってくることがあります。

 

 

 

 

 

3 電話のかけ方

 

 

3-1 事前準備

①      相手の名刺を出して部門名、役職、電話番号を確認する

②      営業時間外、昼休み、退社時刻直前は避ける

③      要件をメモしておく

 

 

3-2 電話に出たら(取次のお願い)

①      自分の会社名と名前を名乗る

②      「おはようございます」「いつもお世話になっております」と挨拶をする

③      「〇〇(部門名)の××(課長さんなどの役職名)、いらっしゃいますでしょうか?」

④      不在の場合「何時頃お戻りでしょうか?またお電話いたしますので、△△から電話のありましたことをお伝えください。」

 

 

3-3 相手が出たら

①      自分の会社名と名前を名乗る

②      「おはようございます」「いつもお世話になっております」と挨拶をする

③      初めての電話の時は、「突然のお電話で失礼いたします」とお詫びする

④      「〇〇の件でお電話しました」と切り出す

 

 

3-4 相手の都合を聞く

相手に電話をかけた目的を告げます。時間がかかるようであれば、「5分ほどお時間を頂戴してもよろしいでしょうか?」という心遣いをする。

 

 

3-5 要件を簡単に伝える

 

 

3-6 お礼を述べて静かに電話を切る

お客様が電話を切ったことを確認した上で受話器を置く。

 

 

 

 

4 電話とメールのメリットとデメリット

 

  1. 4-1 メールのメリットとデメリット

①      朝早くでも、夜遅くでも連絡でき、時間を選ばない。

②      お客様の時間を取らせない。

③      お客様が離席中でも情報を伝えられる

④      添付資料などを送ることが出来る

⑤      履歴が残り後々確認ができる

⑥      冷たく感じられることがある。

⑦      誤解が生じやすい

 

 

  1. 4-2 電話のメリット

①      感情が伝えることが出来る

②      声を聞くと安心できる

③      お客様の意思がその場で確認できる

④      電話できる時間帯が制限される

⑤      お客様の時間を束縛する

 

 

 

 

訪問時・商談時のビジネスマナー

 

5 受付でのやり取り

お客様の会社に入る前に冬であればコートを脱いで、自分の名刺を用意します。

受付で、名刺を渡しながら、

例えば、「(総務)の〇〇課長様と10:00にお約束させていただいています」と告げます。

 

 

6 名刺交換

 

初対面のときには名刺交換を行います。

 

①      面会スペースに通された場合、名刺入れから名刺を出しておきます。

 

②      相手が来たら、立ち上がり

「お忙しいところ、申し訳ございません」と挨拶をします。

状況により、立ったままで待つこともあります。

 

③      相手がお客様であれば、先に名刺をいただきます。

 

④      差し出された名刺は両手で受け取り、

名刺入れを受け皿として、「頂戴いたします」と言いながら、名刺をいただきます。

いただいた名刺は、気持ち、押し頂きながらいただくと丁寧です。

 

⑤      相手の顔を見ながら、

「~会社の〇〇です」と挨拶しながら、名刺を相手が読める方向で渡します。

 

⑥      商談時は名刺入れの上に相手の名刺を置いて話をします。

 

 

 

7 お辞儀について

①      会釈
社内ですれ違った来客や上司、先輩に対するお辞儀のことです。背筋を伸ばし、相手の腰辺りに視線を落とし、上体を15度程度傾けます。

 

②      普通礼
訪問先で一般的に行うお辞儀です。背筋を伸ばし、1.52m先に視線を落とし、上体を30度程度傾けます。

 

③ 最敬礼
特に経緯を払うべき相手や慶弔時に行う最も丁寧なお辞儀です。背筋を伸ばし、11.5m先に視線を落とし、上体を45度程度傾けます。

 

 

 

 

8 紹介のマナー

 

初対面の人を紹介する場合にはマナーがあります。そのマナーとは次のとおりです。

①      目下の人と目上の人と引き合わせるときは、目下の人を先に紹介します。

②      社外の人と社内の人と引き合わせるときは、社内の人を先に紹介します。

③      年少者と年長者と引き合わせるときは、年少者を先に紹介します。

④      1対複数の時は、一人の方から、先に紹介します。

 

 

9 会話をするとき、どこに座るか

 

会議、接待、自動車、エレベーターでの席順には、役職・年長者に対する敬意や来客に対するおもてなしが込められています。
お客様や目上の人には良い席に着いていただきますが、その部屋の一番良い席を上座といいます。これに対して、会社の地位の低い人やおもてなしをする人が座るのが「下座」です。

 

 

9-1 会議室

A)      議長席が上座です。

B)      議長席に近い方が上座です。

C)      入口から遠いほうが上座です。

「会議室1」をご覧下さい。①が議長席です。以降、②③・・・の順に着席していきます。

「会議室2」では入口から最も遠い①が上座で、出入り口に一番近い⑤が下座です。

「会議室3」のケースは来客を想定したテーブルを挟んだ打合せです。出入り口に遠い方の中央の①がお客様の上座、テーブルを挟んで④が会社側の上座です。

 

 

9-2 応接室

A)      出入り口から遠い席が上座です。

B)      長いソファーに3名以上座る場合は中央が上座です。

C)      美しい景観が見られる場合は、出入り口に関わらず、景観できる方が上座です。

「応接室」をご覧ください。出入り口から遠い①が上座で、お客様の目上の人が座ります。

 

 

9-3 和室

接待などでも和室を使うことがあります。その場合の席順について説明します。

 

A)      床の間に近い席が上座です。

B)      出入り口に近い席が下座です。

C)      接待の場合は、お店の人にどちらが上座かを確認することもできます。

 

「和室1」をご覧ください。①は床の間に近いので、上座、④は床の間から遠く、出入り口に近いので、下座になります。

「和室2」では床の間に近い①が上座になります。

 

 

9-4 タクシー

タクシーで移動する場合、後ろの一番奥の席にお客様や目上の人に座っていただきます。ただし、体の具合、特に足の悪い方が居る場合は、自動ドアに近いところにお座りいただきます。

 

 

9-5 エレベーター

「エレベーター」をご覧ください。エレベーターに乗り込む時は、お客様、目上の人の順に乗り込みます。そして、目下の人が操作盤を操作します。

 

 

 

10 接待マニュアル

 

 

 

お客様と食事をすると、お客様は気分が良くなり、お願い事が通りやすくなります。

この心理テクニックをランチョン・テクニックといいます。

その時に、アルコールが入ると、お客様の機嫌が良くなって、さらに効果的になります。


接待の時の流れと注意点を列挙します。

 

 

10-1 お客の好き嫌い

お客様を喜ばせるのが目的です。アレルギーなどもあり、禁止している食品があるかもしれません。また、嫌いな食品や好きなものを聞いておく必要があります。

 

 

10-2 予定のマッチングと案内状

お客様と主催者の予定をマッチングします。そのうえで、主催者名で案内状を送付します。お客様が忘れると困りますので、案内状は出しておきたいものです。

 

 

10-3 会場予約

会場を予約します。心置きなく話をするために個室を予約します。

足の悪い方やご高齢の場合、座敷に座るのが苦手だという方もいます。

最近では、座敷でもイスを使うこともありますので、予約の時に聞いておきましょう。

 

 

10-4 事前確認

接待の前日、お客様の窓口の方に日時場所の確認をします。

これで、当日の予定を忘れることはなくなります。

 

 

10-5 お迎え

事前に先方の担当者と打ち合わせをして、役員車やタクシーを手配するかを確認しておきます。手配するのであれは、同乗してお迎えに行くようにしてください。

 

 

10-6 幹事役の会場入り

幹事役は接待開始時間の30分前には、会場に到着して、

最初に用意する飲み物、費用の支払い方法など会場側と簡単な打ち合わせを行います。

 

最初に用意する飲み物はビールで参加者の半数程度をお願いしておきましょう。

また、会場を確認して、席を決めておきます。

和室の場合は、床の間の近くが上座、出入り口に近い席が下座です。

 

 

10-7 乾杯

 

出席者が揃ったら、中居さんにビールを持ってきてもらうようにお願いします。

お客様にビールを注ぎます。両手で注ぐと丁寧です。

自分が注いでもらう時には、左手を添えてください。主催者側からご出席のお礼を述べて乾杯となります。

 

 

10-8 飲み物のオーダー

乾杯後すぐに、みなさんの好みの飲み物についてお聞きして、中居さんにオーダーします。

 

 

10-9 飲み物が足りているかを確認する

みなさんの飲み物が足りているかチェックします。

足りなくなる前にオーダーします。また、コップの中の焼酎やウィスキーが少なくなってきたら、作って差し上げます。

 

 

10-10 具体的な仕事の話はしない

接待はお客様に喜んでもらうのが目的です。

そのような時に、仕事の話をしてしまうと、お客様は興ざめしてしまいます。具体的な仕事の話はしないようにしましょう。

 

 

10-11 お見送り

できればタクシー券を用意して、コース料理が出終わった頃を見計らって、中居さんにタクシーを呼ぶようにお願いします。

お見送りが大切です。「本日はどうもありがとうございました」とお礼を述べて、

タクシーが見えなくなるまで、深くお辞儀をし続けます。

 

 

10-12 翌日のお礼

翌日の午前中に先方のご担当者に電話を入れ、前の晩のお礼を伝えます。
「何かそそうはありませんでしたでしょうか」と聞きましょう。これで、接待は終わりです。

 

 

 

 

 

訪問後の整理と報告

 

11 商談内容のまとめ・課題の整理

 

 

 

営業マンは顧客との軋轢などで心身ともに疲れて帰社してきます。

ですから、早く帰宅したいものです。しかし、一日の最後に行わなければならないのが、商談内容のまとめや課題の整理が必要になっています。

次回の訪問時に何をすべきか、営業経験・知識が豊富な上司の指導を仰ぐためにも報告書は必要です。

 

 

12 営業日報の記載

 

営業日報は、PDCAサイクルを回し、営業活動の適正化を図るという自己管理に利用するツールです。

PDCAとは、計画・実行・評価・改善を繰り返して、業務を改善する方策です。

また、営業のマネージャーから適切な指導を受けるコミュニケーションツールでもあり

ます。

営業のマネージャーからすれば、営業マンの悩みを軽減させ、モチベーションをアップさせるツールでもあります。

 

 

それまで蓄積した顧客企業の情報は、将来に渡る資産でもあります。

営業担当が変わった時の引き継ぎ資料であり、成功事例が共有化できるケーススタディになり、効果的な営業活動や商品開発に利用できるというメリットもあります。

 

顧客企業にとって必要な提案を行うソリューション営業やダイレクトマーケティングへの活用ができるというメリットもあります。

 

しかし、営業マネージャーが日報を見ない、適切なアドバイスができないようであれば、

営業マンも日報を書くモチベーションは下がる一方です。

「承認の基本になる3つの気持ち」でも触れたように、

感謝の気持ち、尊敬する気持ち、愛する気持ちを持って部下に接する必要があります。

 

 

 

13 上司・関連部署への報・連・相

 

報告・連絡・相談ができなかったために、商談がストップする、出入り禁止になる、他社ユーザーになる、クレームになるという事態を招くということがあります。

 

そのような時に、マネージャーは「何で早く言ってくれなかったのだ」ということになりがちです。

そういう時には、報告・連絡・相談をしなかった営業マンに問題があったとして、「報・連・相をしっかりすること」を習慣化しようと考えるものです。
しかし、人間には「MUM効果」という心理が働き、都合の悪いことは報告できなくなってしまいます。

一旦、悪い情報を隠すと、更に報告できなくなって、傷口を広げてしまいます。

 

これを防止するためには、感謝の気持ち、尊敬する気持ち、愛する気持ちを持って部下とのコミュニケーションを活発にする必要があります。

 

 

14 コラム 無愛想なお客様ほど面白い

 

 

 

以前、ユーザー会の責任者をしていた時に、何百人という経営者にお会いしました。

そのほとんどがオーナー社長ですから、独特なお考えをお持ちの方も多く、決して取り付きやすい人ばかりではありません。初めてお会いすると、「怖い」方々ばかりです。

しかし、このような方が味方になると力強い味方になります。

 

人間は快を求め、不快を回避するようにできています。

 

このことから、取り付きにくい・無愛想なお客様の会社には足が向かないものです。

取り付きにくいお客様とは話も合わず、文句ばかり言われて、面談しているだけで苦痛を感じてしまいます。

 

しかし、ここに千載一遇のチャンスがあるのです。

このお客様と信頼関係が築ければ、顧客シェアは限りなく100%に近くなり、取り付きにくいお客様ほど美味しいのです。

 

その理由としては次のようなものがあります。

 

1.   ライバルが少ない
無愛想なお客様は、他社の営業マンも足が遠のいているはずです。「このお客様のところに行きたくない」と考えているのは、ライバル社の営業マンも同じことです。ということは、競合する会社が少ないために、成約に至る確率が高まります。

 

 

2.   意思決定が早い
このような顧客は、一徹で思い込みが強いものです。そのために、一旦、顧客の信頼を得ると、意思の決定が早く、受注する確率が高くなります。

 

 

3.   リピートオーダーが期待できる
顧客の信頼を得ると次の商談にも加わることが出来ることでしょう。リピートオーダーの確率も高まります。

 

 

「傾聴のテクニック」を使えば、面談して話が停滞することはありません。

文句ばかり言われても、このテクニックを使えると、苦にならないはずです。

また、自己呈示も試してみてください。そのお客様も好意を持ってくれるはずです。

 

取り付きにくい、訪問の足が遠のくお客様ほど美味しいものです。

昔、生命保険の支社にいた頃、ある営業マンが大きな成績をあげました。

 

それは、誰もが行きたがらない魚市場での営業でした。

 

1:00に起きて、2:00には現場に出かけていたそうです。そのタイミングしか営業のタイミングがなかったので、競争相手はいなかったのです。

 

 

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